モーニング娘。らハロプロ所属6グループ、2018年の展望は? 前年の足跡を振り返りつつ検証

こぶしファクトリー

 ハロプロ内では、2017年に最も苦難続きだったのがこぶしファクトリーだ。2015年の結成から8名のメンバーで活動し、同年末には『第57回日本レコード大賞』最優秀新人賞を受賞。昨年は7月に初主演映画の『映画版 JKニンジャガールズ』が公開されたものの、時を前後して藤井梨央、小川麗奈の二名が脱退・卒業。12月には田口夏実も事務所との専属専属マネージメント契約を終了し、一年間で3人のメンバーがグループを抜けることになった。

 現在は5人体制となったこぶしファクトリーだが、今後グループ単独のリリースやコンサートの予定は未定となっている。ただ、当初はオーディション落選者で結成されたモーニング娘。にしろ、メンバーの脱退・卒業を経ながら時間をかけてトップアイドルにまで上り詰めた℃-uteにしろ、ハロー!プロジェクトには苦難を経たグループが返り咲いてきた歴史と伝統もある。こぶしファクトリーの5人も、2018年からの再出発で先輩グループのように見事な返り咲きを見せて欲しい。

つばきファクトリー

 ハロプロ内では末っ子グループにあたるつばきファクトリーは、今もっとも乗りに乗っているグループと言える。2015年の結成から下積みを重ね、2016年には3人の新メンバーを加えて9人体制に。昨年2月にシングル『初恋サンライズ / Just Try! / うるわしのカメリア』でメジャーデビューを果たし、7月にも2ndシングル『就活センセーション / 笑って / ハナモヨウ』をリリースした。

 中でもデビュー曲の「初恋サンライズ」はハロプロファンの間で高い人気を誇り、サビ前に会場全体でジャンプする通称“サンライズジャンプ”は、今ハロプロのコンサートで最も会場が沸く瞬間となっている。

 また、昨年末には、『第50回日本有線大賞』新人賞と、『第59回日本レコード大賞』最優秀新人賞を受賞。レコード大賞の授賞式では、総合司会を務めたTBSアナウンサーの安住紳一郎が同郷・北海道出身のメンバー、谷本安美の涙につられてもらい泣きする一幕もあり、話題となった。

 W受賞の勢いに乗るように、つばきファクトリーは2月21日に3rdシングル『低温火傷 / 春恋歌 / I Need You 〜夜空の観覧車〜』のリリースが決まっている。2018年は、つばきファクトリーにとって更なる飛躍の年となりそうだ。

 上記の6グループの他にも、注目すべき動向は多い。昨年は、カントリー・ガールズのメンバーとして2016年4月まで活動しながら、喘息のため卒業した稲場愛香が地元の札幌を拠点として、一年半ぶりに活動を再開。ハロプロ研修生北海道のリーダー的役割を務めつつ、個人としても活動し、今年の冬ハロコン(毎年恒例の冬のハロー!プロジェクトコンサート)では道外でのパフォーマンスを久しぶりに披露したことで、ファンを歓喜させた。また研修生周辺の動きとしては、昨年6月の新体制への移行に伴い、一岡伶奈がリーダーに就任することが発表された新グループの情報も待たれる。

 各グループが新体制となり、20周年アニバーサリーイヤーへと突入したハロー!プロジェクト。アイドル界随一の歴史と伝統を受け継ぎながら、それぞれのグループ・メンバーが充実した活動を行い、21年目に向けて歩んでいってほしい。

■青山晃大
1983年生まれ、三重県津市出身。フリーランスの音楽ライター。「ザ・サイン・マガジン・ドットコム」「Qetic」「CROSSBEAT」他で執筆しています。

関連記事