AIスピーカー、国内普及に必要なものは? ストリーミングサービスとの連携が鍵に
レコメンド機能にはまだブラッシュアップの余地があるAIスピーカーだが、詳細に指示を出せば的確に曲を選んで再生してくれる。さらにジェイ氏は、大物アーティストのストリーミング解禁もAIスピーカーやストリーミングの普及に影響していくのでは、と指摘した。
「最近ではDREAMS COME TRUEがSpotifyなどで楽曲配信を解禁しました。今まで自分が持っていなかった邦楽のカタログがSpotifyにあると、それを引き出すためのツールとしてAIスピーカーはとても便利だと思うんです。楽曲をアプリで探す必要も、テキスト入力して検索する必要もない。スマホでストリーミングサービスを使う人に加えて、自宅でAIスピーカーを通じてストリーミングサービスを使う人が増えていくかもしれないと考えると、AIスピーカーは日本の音楽ストリーミングを普及させるための一つのブレイクスルーとなる可能性があると思います。AIスピーカーでスマートホーム化できるというのは近未来的で魅力ですが、やはり手間がかかる。一方でAIスピーカーで音楽を聴けるというアピールポイントは手軽なので万人に受けやすく、フックになりやすいポイントだと思います。今後はコンテンツを配信しているレーベルやアーティスト側から、AIスピーカーを使った新しいアイデアも生まれてくるでしょう」
国内では人工知能やスマートホーム化といった面に注目されることが多いAIスピーカー。Home Podなど音楽面に特化したスピーカーの国内発売にも期待したいが、今後は各製品とSpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスを手軽に連携できるようになることが、AIスピーカーの普及に重要な鍵となるだろう。
(文=村上夏菜)