オーディション番組『ラストアイドル』なぜ人気? 1対1バトルで“波乱の展開“続く
今、アイドルオーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系)が、アイドルファンの間で盛り上がりを見せている。それを感じさせたのが、10月14日の放送でのこと。あいにく筆者はリアルタイムでオンエアを観ることはできなかったのだが、Twitterのタイムラインには『ラストアイドル』に触れているツイートがいくつも見受けられたのだ。
今夏よりスタートした『ラストアイドル』は、秋元康が総合プロデュースを手がけ、「プロアマ問わず、兼任可能」という驚きの応募条件が特徴。放送では、メンバー入れ替えバトルが展開され、初回メンバーの7人のほかに毎週挑戦者として刺客が登場し、1対1のパフォーマンスバトルの末に見事勝ち抜いたメンバーが、12月20日のメジャーデビューシングル『バンドワゴン』のユニットメンバーとしてデビューすることができる。
10回目の放送に当たる10月14日の放送では、ラストアイドルのセンターとしてその座を2度防衛してきた間島和奏が阿部菜々実にセンターの座を奪われるという、大波乱が起きた。間島は、2013年開催の『第1回AKB48グループ ドラフト会議』に選ばれるも指名には至らなかった過去を持つ。対する阿部は、仙台を拠点に活動するパクスプエラのセンターメンバーだ。「トップアイドルにずっとなりたかった」「最強のアイドルのセンターになりたい」という理由から、阿部は間島を指名し、℃-ute「悲しき雨降り」を歌唱し、センターの座を奪い取った。審査員として対決のジャッジを任された大森靖子は、「歌への肉体と心の込め方を、細部まで一音一音はめていた」と同じ“表現者”として胸に刺さった阿部を選んだのだという。
これまで、挑戦者がポジションの座を奪い取る逆転劇は、間島のケースを含め3度あった(10月21日時点)。初期メンバーだった相澤瑠香を負かし、現在も暫定メンバーとして勝ち残っている古賀哉子。同じく初期メンバーの山田まひろを相手に、ダンス対決で勝利を収めた鈴木遥夏。しかし、間島が阿部を相手に涙を飲んだ時、画面越しからもスタジオの空気が一変したのが伝わってきた。『ラストアイドル』は、収録カメラが止まった時、いわゆるメンバーのオフの様子を映し出すことがグループのドキュメントを見ているかのようで、視聴者ものめり込むことができる。阿部が空いたセンターの場所に立った後、古賀がつぶやいた「なんか分かんないんだけど……『現実なの?』って感じなんだけど」というコメントが、『ラストアイドル』の過酷さ、生々しさを痛いほどに表していた。
間島はこれまでのパフォーマンスで、スタジオの観客を巻き込む仕草や挑戦者をリスペクトする姿勢など、アイドル然とした立ち振る舞いで審査員にも絶賛されてきた逸材だった。放送が回を増す毎に見えてくるのは、メンバーが番組にかける思いの強さとメンバー間の絆、叶えられなかった挑戦者の思いも暫定メンバーが背負っているということだ。放送当日、間島はTwitterにて『ラストアイドル』にかけていた思い、そして惜しくも暫定に残れなかったメンバーからなる2ndユニット「Good Tears」への挑戦を表明している。