乃木坂46のソロ写真集はなぜ売れる? “グループの特性”からその傾向を分析

 さらに、そのコンセプトはグループ結成時から考えられていたのではないかと続ける。

「以前、乃木坂46運営委員会委員長(当時)の今野義雄氏にインタビューした際、彼は『オーディションでメンバーを選考した時のポイントに“骨格”という答え方をしたことがありますが、それも含めて、とにかく洋服を綺麗に着られる人たちを選んだ』とコメントしています。あらかじめファッション界へ進出することを見越してメンバーを選び、ファッション方面への目配りをその後のコンテンツにも活かしながら、グループ全体のイメージを作り上げてきたことが、近年の写真集の好調にも通じている。異性にも同性にも受け入れられている背景には、この戦略が功を奏したことも大きいでしょう」

 最後に、これらの傾向は乃木坂46だけにとどまらないものになるだろうと語った。

「『女性アイドル』の多様なあり方・表現への理解が世の中に浸透してきたことで、彼女たちが自身の見せ方を能動的、戦略的に発信する姿が、同性からの支持を得やすくなっているように感じます。48グループでいえば、YouTubeでの配信等で積極的に発信を続けるNMB48吉田朱里さんの『IDOL MAKE BIBLE』(主婦の友社)も、そうした同性支持にささえられつつ成果をあげています。このようなスタイルの写真集がこれ以降も世に出され、好意的に受け入れられる機運は高まっていると思います」

 女性アイドルの写真集というフォーマットを更新し、新たなフェーズに突入させた乃木坂46。同じ“坂道シリーズ”の欅坂46からも長濱ねると渡辺梨加の写真集発売が決定しているが、これらもその路線を踏襲したものになるのだろうか。

(文=中村拓海)

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