『Billboard Japan Hot100』チャート分析

星野源、乃木坂46が複合チャートで急浮上 最新曲の注目すべきポイントは?

 また、このチャートでより顕著に表われる特徴のひとつ、リリース日に関係なくチャートにランクインするロングセラー楽曲の中では、TWICEの「TT」がラインクイン10週目ながら動画再生数、Twitterのつぶやき数、それらを合算したBUZZチャートでそれぞれ1位になり、先週の9位からふたたび順位を上げ総合5位に。日本デビュー以降の人気の広がりや「踊ってみた」動画などの盛り上がりがチャート結果を後押ししている。また、ゆずの「夏色」は1998年の楽曲ながら、8月2日放送の『FNSうたの夏まつり』(フジテレビ系)でのNissy(西島隆弘:AAA)とのコラボレーションが話題になり20位に急浮上した。洋楽では世界でストリーミング再生数の史上最多記録を更新中のルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシート」に、ジャスティン・ビーバーが参加したリミックス・バージョンがラジオオンエア数を中心に日本でも話題になり、チャートイン10週目ながら39位につけている。

 フィジカル作品の売り上げ以外の価値基準も含むチャートでは、発売日に限定されない世間の関心や季節ごとの楽曲への興味など、より多角的な価値観が結果に反映されていく。それぞれの楽曲は様々な音楽要素を含んでいるため、そこから広がる新たな楽曲との出会いもあるだろう。本来は数値化しがたい人々の“関心/ムード”を可視化するこのチャートの結果を入り口に、まだ聴いたことのない音楽への興味を広げてみるのもいいかもしれない。

■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

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