BIGBANGの音楽性はどう受け継がれた? iKONが築く、K-HIPHOPの最新モード
彼らもBIGBANG同様、作詞作曲ができるメンバーを有しており、リーダーのB.IはiKONの数々の作詞作曲を手がけ“第2のG-DRAGON”とも言われている能才。BOBBYは『SHOW ME THE MONEY』シーズン3の優勝経験もある、YG屈指のラッパーだ。1988年~1990年生まれのBIGBANGに対して、iKONは1994年~1998年生まれ、19歳から23歳までで構成されており、K-POPに海外進出の土壌が築かれて以降のネオK-POP世代と言える。世界の音楽的潮流により速く、より密接に対応でき、それを魅せるパフォーマンススキルも今まさに伸び盛りだ。
8月16日にリリースされたミニアルバム『NEW KIDS : BEGIN』は、オリコンデイリーCDアルバムランキングやiTunes K-POPアルバムランキング、タワーレコードアルバムデイリーチャートで軒並み1位を獲得(8月15日付)し、iKONの人気を証明した。その中身を覗くとネオK-POP世代としての最新モードが堪能できる。B.IとBOBBY、そしてYGの新人作曲家・MILLENNIUMが共同で作詞作曲編曲した「BLING BLING」は、世界的ムーブメントとなっているダンスホールレゲエの音色や重いビートで彩られ、次曲「B-DAY」ではハウスとトラップリズムが共存している。また、今作の魅力をより増幅させているのがダンスだ。デビュー時のヒット曲「RHYTHM TA」と同様、ヒップホップのトラックを際立たせる力強さを持ちつつ、全員の動きがシンクロしたハイレベルな踊りにも注目してほしい。
世界的トレンドと国独自のエッセンスが配合され、最先端の音楽ジャンルの一つとなっているK-HIPHOP。その新時代を、iKONが「NEW KIDS : BEGIN」と言わんばかりに切り開いていくかもしれない。
■鳴田麻未
1990年東京都生まれ。ライター、編集者。2009年に都立工芸高校グラフィックアーツ科を卒業。同年夏から2016年まで7年半にわたって音楽ニュースサイト「音楽ナタリー」編集記者として、ニュース記事執筆、特集制作、企画、営業を行う。2017年1月より独立。Twitter:@m_ami_。