アラフォージャニーズはなぜ今面白い? TOKIO&V6トニセン座談会企画から考える

 TOKIOの国分太一、城島茂、山口達也、V6 坂本昌行、長野博の5人が、7月26日放送の『ビビット』(TBS系)に出演し、“アラフォージャニーズ座談会”を繰り広げた。謎多きジャニーズの裏側、そしてデビュー後の苦悩などが赤裸々に語られ、大きな反響を呼んだ。今年1月11日放送の『TOKIOカケル』(フジテレビ系)でも、TOKIOとV6の年長組20th century(トニセン)によるざっくばらんなトークが盛り上がりを見せていたが、なぜ今、アラフォージャニーズが面白いのか。芸能ライターの佐藤結衣氏に聞いた。

「かつて“アイドル”と呼ばれる存在は、10~20代のフレッシュさが売りでした。同年代の若者が夢中になる対象だったのですが、最近ではジャニーズメンバーのマルチな活躍によって、旬の時期がどんどん伸びていったように感じます。日本の男性アイドルの枠組みを作ったジャニーズが、自らその概念を更新しているようにも見えますね。今回放送されたアラフォージャニーズ座談会では、国分さんが“何歳までアイドルだと思う?”という質問に、城島さんが“棺桶入るまでかな”と微笑むシーンも。実に頼もしい生涯現役アイドル宣言でした」

 また、人間味のある言動がエンターテインメントになるのも、ベテランのアイドルスキルがあればこそだと佐藤氏は続ける。

「最近では、アイドルも素の姿を積極的に見せていくスタンスを強くなってきたように思います。SNSの普及をはじめとした社会の変化によって、テレビや雑誌の世界の人ではなく、現実を生きている人間味が感じられるようになってきたからかもしれません。作り込まれたイメージだけではなく、リアルな姿も魅力的であってほしい……というアイドルへの期待は、Webの世界に慎重なジャニーズにも影響を及ぼしていると思います。とはいえ、なんでも裏側を話せばいいのではないのが難しいところ。今回の座談会では国分さんがTOKIOに解散危機があったことを語りました。話し合いを行なったことで結束が強まった、という今のTOKIOがあるからこそ安心して聞ける内容でしたが、一歩間違えば“笑えない”トークになるでしょう。仲がいいことを疑わないファンに向けて、傷つけてしまわないかという配慮は欠かせません。何をどこまで言うべきか。そのネタのチョイスも話すタイミングも含めて、高いアイドル力が求められると思います」

 さらに、次世代にキャリアを語れる大人、というカッコよさがアラフォージャニーズにはあると佐藤氏は語る。

「ジャニーズといえば理想の恋人の大本命ですが、近年では理想の上司や父親というポジションでも名前が挙がるようになってきました。そこに欠かせないのは“尊敬”です。若く美しいビジュアルのみならず、努力を続けていくという長期視点での魅力も高く評価されるようになってきています。ジャニーズJr.たちが先輩たちの背中を追いかけるように、一般の視聴者も“あんな風に仕事に取り組めたら”と感じるもの。音楽や農業など何事にも全力で取り組むTOKIOには、変わらぬチャレンジ精神を。年齢差のある個性豊かなメンバーを穏やかにまとめ、チームで活動したときにはキレのあるダンスで魅せるV6には、大人の余裕を。年相応の魅力を放つアラフォージャニーズは憧れの存在として、私たちに年を重ねる楽しさを発信し続けてくれることでしょう」

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