Buono!、℃-ute、嗣永桃子の三大公演と新体制 2017年上半期ハロプロ重大ニュースを振り返る

【06】05.22[Buono!]横浜アリーナ公演開催

 嗣永桃子、夏焼雅、鈴木愛理の3人による派生ユニットがBuono!。昨年2016年8月25日の日本武道館コンサートに続き、今年5月22日には横浜アリーナ公演『Buono! ライブ2017 〜Pienezza!〜』が実現した。夏焼はPINK CRES.のメンバーとして活動中、鈴木は6月12日の℃-ute解散後はソロ歌手として活動予定、嗣永は6月30日をもって芸能界引退ということで、これがBuono!として最後のコンサートになるのは自明だった。

 当日はPINK CRES.、℃-ute、カントリー・ガールズという3人の所属グループのゲスト出演がありつつも、主役はもちろんBuono!。女性メンバーのみのバックバンドDolce(ドルチェ)による生演奏で3時間を駆け抜けた。ハロプロ関連で横浜アリーナが使用されるのは久々の機会ということもあり、観客も熱い盛り上がりを見せた。センターステージや撮り下ろし映像などのライブ演出の完成度の高さも相まって、ハロプロの歴史に刻まれる伝説の一夜となった。

『アプカミ#68』よりBuono!「初恋サイダー」ライブ映像(25:20〜)

【07】06.09[カントリー・ガールズ]新体制に移行

 プレイングマネージャーである嗣永桃子の6月末の引退を控えて、その後の展開が注目されていたカントリー・ガールズ。7月からは残された5人でがんばっていくのか、それとも新メンバー補充があるのか、そうだとしたら5月5日に発表されたハロプロ研修生3人の内の誰かなのか、など様々な憶測が渦巻いていたが、そこで事務所から提示されたのは誰も予想してなかった施策だった。発表は6月9日金曜22時、公式サイトにて行われた。

 まず森戸知沙希、梁川奈々美、船木結の3名は他のハロプログループに移籍し、カンガルと活動を兼任していくという。大学2年の山木梨沙、高校1年の小関舞の2名は学業を優先させるために他グループ兼任は行わず、カンガルのみに在籍。学校の休日や長期休暇中での稼働をメインに活動していくとのこと。

 つまりカントリー・ガールズという箱自体は残るが、活動規模は実質縮小されるということになる。そして兼任3人の移籍先は後日発表。先のハロプロ研修生3人と合わせ、6人が他のハロプログループのどこかへ加入する可能性が出てきたということであり、カンガルのみならずハロプロ自体も大きく変化していくことが示唆された。

【08】06.12[℃-ute]さいたまスーパーアリーナ公演をもって解散

 ℃-uteの解散コンサートは『Thank you team℃-ute』と銘打たれ、グループの目標であったさいたまスーパーアリーナにて行われた。Buono!の横アリと同じく、ハロプロ関連グループがSSAを使用するのは久しぶりのこと。

 本編開始前には、℃-ute以外のハロプログループ6組がオープニングアクトで登場して1曲ずつ披露。2006年5月に行われた『モーニング娘。コンサートツアー2006春 〜レインボー7〜』SSA公演では当時結成まもない℃-uteがオープニングアクト出演したのだが、その11年後に℃-ute自身が同地にワンマン公演として立ち、後輩グループたちに同じステージを経験させる。紡がれるハロプロの大河ドラマの一端だといえる。

 本編ではこの日のために書かれたようなつんく♂作詞が誇らしい「The Curtain Rises」からスタート。続いて「Kiss me 愛してる」のイントロが鳴り響いた後は、もう℃-ute代表曲のオンパレード。

 中盤のMCコーナーではモーニング娘。OGである中澤裕子と道重さゆみ、アンジュルムのリーダー和田彩花の3人が花束を持って登場しメッセージを送った。3人ともハロプロ全体のリーダーを経験しており、℃-uteリーダーの矢島舞美もまたハロプロリーダーを務めたことがある。

 夜6時に開演したコンサートは9時10分(キュート)ぴったりに終演という演出。Buono!横アリと同じく、ハロプロの歴史に残る傑作ライブとなった。

『アプカミ#72』より℃-ute「ファイナルスコール」ライブ映像(24:15〜)

【09】06.26[モーニング娘。'17、アンジュルム、Juice=Juice]新体制発表

 ハロプロ研修生の昇格予定3人(段原瑠々、川村文乃、一岡伶奈)と、カントリー・ガールズの兼任予定3人(森戸知沙希、梁川奈々美、船木結)。6人の人事が発表されたのは6月26日の月曜21時に更新されたウェブ動画『ハロ!ステ号外 〜ハロー!プロジェクト2017新体制決定スペシャル〜』だった。前日25日の日曜22時にはその予告編動画もアップされた。

 ここで発表された内容は、モーニング娘。'17には森戸、アンジュルムには船木と川村、Juice=Juiceには梁川と段原が加入、というもの。一岡は新グループのリーダーに就任することになり、その詳細はまた後日発表とのこと。

 モーニング娘。'17とアンジュルムはこれまで何度かメンバーチェンジのあったグループだが、Juice=Juiceは(結成時こそ6人だったものの)メジャーデビュー以降は5人の時期が長く、今回2人追加ということで特に大きな変化となる。

ハロ!ステ号外 〜ハロー!プロジェクト2017新体制決定スペシャル〜

【10】06.30[カントリー・ガールズ]嗣永桃子が卒業

 昨年2016年11月5日の発表から約半年。ついに嗣永桃子の卒業X-DAYがおとずれた。その晴れ舞台に彼女が指定したのは青海特設会場という野外ステージ。当日の天候が危ぶまれたが、雨は降ることはなく無事ライブは開催された。

 この日も℃-uteさいたまスーパーアリーナと同じく、本編出演のカントリー・ガールズ以外のハロプログループ5組がオープニングアクトで華を添えた。

 コンサートの内容は謎に包まれていたが、始まってみると前半は嗣永桃子ソロで主にBerryz工房の楽曲を歌い、後半はカントリー・ガールズの楽曲をメンバーと一緒に歌うというものだった。撮り下ろし映像がスクリーンに映されたり、やぐら風トロッコに乗って場内を駆け巡ったりなど、様々な趣向が凝らされたコンセプチュアルなステージング。コンサートの一番最後はももちが小指を上にかざしながらステージ下に吸い込まれ、姿が見えなくなる瞬間に小指を折りたたむというパフォーマンスを見せた。

『ハロ!ステ#226』より嗣永桃子ラストライブバックステージ映像(7:43~)

 以上、2017年上半期のハロプロ重要トピックスを10個選出した。再度見出しのみを並べると以下のようになる。

【01】01.11[アンジュルム]相川茉穂が活動一時休止
【02】02.22[つばきファクトリー]メジャーデビュー
【03】04.29[モーニング娘。'17]工藤遥が今秋で卒業することを発表
【04】05.05[ハロプロ研修生]公開実力診断テスト開催、新たな人事発表
【05】05.12[こぶしファクトリー]藤井梨央が今夏で卒業することを発表
【06】05.22[Buono!]横浜アリーナ公演開催
【07】06.09[カントリー・ガールズ]新体制に移行
【08】06.12[℃-ute]さいたまスーパーアリーナ公演をもって解散
【09】06.26[モーニング娘。'17、アンジュルム、Juice=Juice]新体制発表
【10】06.30[カントリー・ガールズ]嗣永桃子が卒業

 ハロプロの歴史において、メンバーチェンジは何度となく行われてはいるが、ひとつのグループに在籍しつつ別のグループを兼任するという形は初めてのケースだろう。ただ、過去には本体グループと派生ユニットを兼任するという例はあった(モーニング娘。とミニモニ。、Berryz工房とBuono!など)。これは派生ユニットの活動量が本体グループよりも比較的少ないからこそ成立していた面がある。今回のカントリー・ガールズについては、活動規模縮小はすでに明言されているから、名義上はグループとグループの兼任であっても、活動量的にはグループとユニットの兼任と同じ、と考えることができるかもしれない。ただ、メンバーのアイデンティティをどちらのグループに置くかという問題が浮上してくるだろうし、やはり珍しいケースなのには変わりない。

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