シングル「お義父さん」リリースインタビュー
はなわ「お義父さん」誕生の裏にあった感動秘話「家族に実際起きた話をリアルにさらけ出した」
「40歳になって、芸歴も20年越えたからこそ歌えたんじゃないか」
ーー「時間の流れの力」についても、改めて思い知らされました。それだけ色んなことがあっても、時が解決してくれる部分も、少なからずあるのかなと。
はなわ:そうですね。
ーーそれと、この歌にそれだけパワーが宿ったのは、先ほどはなわさんもおっしゃったように、起きたことを全てさらけ出しているからだと思うんです。
はなわ:そうですね。それもタイミングというか。僕が40歳になって、芸歴も20年越えたからこそ歌えたんじゃないかなと思います。やっぱり若い頃は、芸人としてのプライドというか、「照れ」みたいなものもあったと思うし。世間的にも、「芸人のくせに何真面目に歌ってんだ」という声もきっとありましたよね。
ーーなるほど。
はなわ:でも今の年齢になり、子供も3人、必死こいて養いながらの状況だと、もうプライドも照れも、どうでもよくなっているところはありますね(笑)。それと、自分自身に出来る幅というか、出来ることと出来ないことも何となくわかってくる中、やっぱり音楽もずっとやりたいという気持ちはあって、そのためには何かきっかけが必要だなと思っていたのを考えると、そういう意味でもこのタイミングだったのかなと。
ーーはなわさんの芸人としてのキャリア、お義父さんのご病状、娘との関係性の修復の期間、本当に色んなタイミングが重なったのですね。奥さまとはなわさんが、ずっと仲良しでいるのもすごいなあと。しかも、歌によれば中学の頃の初恋の相手だったんですよね?
はなわ:そうですね。初恋なんですけど、ずっと付き合っていたわけではなくて。初恋してフラれて、お互い別に恋人がいた期間もあったりして、それでまた巡り合ったという感じなんです。でも、それも二十歳くらいだったから、かれこれ20年以上経ちますね。僕はもう、嫁さんは卑弥呼のように崇めてますから。そう決めてるんですよ。家族のルール。子供も男3人なので、「男というのは、女性を守るために存在しているんだ」と常々言ってるんです。
ーーそういう風に思い至ったタイミングはありました?
はなわ:結婚した当初は喧嘩も多かったし、相手のことを「直さなきゃ」とか、こちらの言い分を「分からせなきゃ」なんて思っていた時期もありました。でも、そうすると水掛け論になってきますし、家庭の中の雰囲気もどんどん悪くなってしまって。
ーーお互いに言い分はありますしね。
はなわ:そう。嫁はとにかく天然なので(笑)、「先輩に会わせた時、失礼があったらどうしよう」と、俺は俺で考えていたんですよ。で、あるとき、明石家さんまさんの番組に、うちの家族を出させてもらったら、さんまさんがめっちゃ面白がってくれて。特に「嫁さんおもろい」ってなったんです。やっぱり、見つけるんですよね、さんまさんはそういうの(笑)。
ーーはなわさんにとっても一つネタが増えた。
はなわ:そう。それに、さんまさんを見ていたら、「何でもかんでも全て否定したらダメだな」って気がついたんです。僕が「直さなきゃ」と思っていた部分も、さんまさんならあんな風に「良いところ」として引き出せるんだと思ったら、色んなことを否定しなくなりました。
ーー自分でも他人でも、欠点やコンプレックスが実は長所だったり魅力だったりしますよね。
はなわ:まさにそうなんですよね。それをさんまさんに教えてもらって、そこから夫婦関係も変わっていきましたね。
ーー今回の歌詞の中で、奥さまが“父がいなかったから、今頑張れている”と話したことが紹介されていて。それも、今の話につながりますよね。「今」を肯定して生きていれば、過去もポジティブに考えられるというか。
はなわ:間違いなくそう思います。そのおかげで子供達もちゃんと育っていますし、いろんなことに感謝していますね。
ーー奥さまを卑弥呼として崇めるようになったら、はなわさん自身も楽になった?
はなわ:そうなんですよ。だからこれ、全国のお父さんたちにオススメしますよ(笑)。子供達も全然反抗しないし。