浅田真央、フィギュアスケート現役引退へ “愛らしさ”から“美しさ”への変化を使用曲で振り返る
フィギュアスケート選手の浅田真央が4月10日、自身のブログで引退を表明した。本稿では、これまでに浅田の演技を彩ってきた名曲の数々を振り返る。
まずは、浅田真央の名前を世界に轟かせた大会『2005/2006 ISUグランプリファイナル』で使用したピョートル・チャイコフスキーの「くるみ割り人形」。本プログラムでは、浅田真央の代名詞にもなったトリプルアクセルや難易度の高いコンビネーションジャンプを披露、さらに15歳らしいかわいらしさと豊かな表現力でステップシーケンスを演じきり、観客や審査員を魅了した。同大会では、15歳という若さで世界女王のイリーナ・スルツカヤを破り、世界に衝撃を与えた。
2008年の世界フィギュアスケート選手権では、日本人選手で5人目の世界女王となった浅田。浅田のライバルであるキム・ヨナと激戦を繰り広げた『2008/2009 ISUグランプリファイナル』では、ショートプログラムにクロード・ドビュッシーの「月の光」、フリープログラムにアラム・ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」がそれぞれ使用された。2007年頃から“金メダルメーカー”と称されるフィギュアコーチのタチアナ・タラソワを師事し、バレエなどに取り組んでいたという浅田は、柔軟性を活かした演技と芸術性をプログラムに取り入れたパフォーマンスを披露。キム・ヨナを破り見事優勝を果たした。
その後もバンクーバーオリンピックで銀メダル、2008、2010年の世界フィギュアスケート選手権で金メダルを獲得した浅田だったが、ソチ冬季オリンピックのシーズンを限りに引退する意向を表明。ファンの間でも名試合として語られることの多いソチオリンピックで使用した楽曲が、フレデリック・ショパンの「ノクターン 第2番変ホ長調 作品9の2」と、セルゲイ・ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」だ。ショートプログラムで調子を崩した浅田は16位からのスタート。しかし翌日のフリープログラムでは、女子史上初となる全6種類、計8度の3回転ジャンプを成功させ自己ベストを更新、終演後に感無量の涙を流した浅田の姿は多くのファンに感動を与えた。