スペースシャワーTV主催『TOKYO MUSIC ODYSSEY』レポート
映像、アート、テクノロジー……音楽との刺激的なコラボ見せた『TOKYO MUSIC ODYSSEY』レポ
『SPACE SHOWER MUSIC AWARDS』(3月7日)
そして3月7日に国際フォーラムで行われたのが『SPACE SHOWER MUSIC AWARDS』だ。スペースシャワーTVの視点で2016年の音楽シーンを総括し、功績をあげたアーティストとクリエイターを表彰。最優秀アーティストに選ばれたのは、映画『君の名は。』の主題歌と劇伴を担当し、年末には初の『NHK紅白歌合戦』に出演したRADWIMPS、ユーザー投票によって決定するPEOPLE’S CHOICEは、アルバム『EXIST!』で週間チャート1位を獲得し、ドラマ主題歌やCMソングも担当し大躍進を果たした[Alexandros]が選ばれた。その他、「恋ダンス」の一大ブームを巻き起こした星野源や、約8年半ぶりのアルバム『Fantôme』を発表した宇多田ヒカルらも受賞した。また、Suchmos、高橋優、クリープハイプ、平井堅、きゃりーぱみゅぱみゅ、レキシはライブパフォーマンスを披露し会場を大いに盛り上げた。
2016年は、豊富な音楽的バックグラウンドに持ちながら、幅広く聞かれるポップミュージックにアプローチするアーティストの活動が、特に目立った一年だったように思う。そしてその結果、RADWIMPS「前前前世」や星野源「恋」などをはじめとした多くのヒット曲が生まれ、音楽がお茶の間の話題になることが多かった。『SPACE SHOWER MUSIC AWARDS』は、そんな一年の活気を映し出すような受賞結果、そしてライブパフォーマンスとなった。
様々な視点から、今の音楽シーンの充実を体現し、その盛り上がりを直接肌で感じることができた『TOKYO MUSIC ODYSSEY』。およそ一週間にわたり、上記のイベントに足を運んで実感したことは、今活躍する多くのアーティストは、自らのスキルをブラッシュアップさせることに力を注ぎながらも、横のつながりも大事にし、周りを巻き込んでいくパワーを持っている、ということだ。そして、そのつながりは、“日本発”の音楽として、国外に向けて発信していくためにも欠かせない武器となる。2020年の東京五輪に向けて、そしておそらくその先も、渋谷をはじめ東京の街は変わり続けていくだろう。本イベントでもフィーチャーされた映像、アート、身体表現、テクノロジーなど様々なクリエイションを合流させることのできる音楽カルチャーは、その中でさらに高い価値を獲得していくことになるはずだ。
(文=若田悠希)