YUKIはなぜ多くの人々から愛され続ける? “ポジティブさ”と“ユーモア”からアーティスト性を紐解く

 YUKIが、3月9日放送の『SONGS』(NHK総合)に出演。「YUKI~まばたき ステーション 31.5~」という架空のラジオのパーソナリティに扮して、綾瀬はるか、羽海野チカ、国分太一、水曜日のカンパネラ、長澤まさみ、又吉直樹(ピース)といった著名人たちから届いたメッセージや質問を紹介していく特別番組がオンエアされた。

 2017年2月6日、ソロデビュー15周年を迎えたYUKI。番組冒頭に紹介された綾瀬はるかの「大事にしていることはなんですか?」という質問への回答「正直でいること」という言葉からは、YUKIのアーティストとしての信念を感じることができた。

 YUKIがこれだけ長く第一線で活動を続けていられるのは、自身の気持ちに嘘をつくことなく、その時に歌うべきことを歌にしてきたからではないだろうか。ソロデビュー5周年のタイミングで発表された「汽車に乗って」は、コンセプチュアルな創作活動からいったん離れ、上京した時の風景や思いといった“自分の人生を歌う”ことに立ち返った一曲だった。YUKIにとってルーツに思いを馳せることは、「泣きたい気持ちになれたり、逆にまた頑張ろうと思えたりすること」なのだという(http://www.oricon.co.jp/music/interview/080416_03.html)。

 あれから10年、今回リリースされたアルバム『まばたき』でもまた、YUKIは“希望でおなかは膨らみ、不安など無かった”あの頃に思いを馳せている。まさに、アルバムの一曲目を飾る「暴れたがっている」で繰り返される<あがいてたら 振り出しに戻ってた>のだ。

 「こんにちはニューワールド」ではYUKIが上京し、東京で暮らし始めた頃のことが歌われている。しかし10年前と異なるのは、当時を振り返るだけではなく、<進め 良い時も駄目な日も 些細な日も>と、自らを奮い立たせる“強さ”を手に入れている点だ。

 オフィシャルインタビューには、20代の頃のYUKIの口癖が「大丈夫」で、友人から“ミス・大丈夫”というあだ名をつけられたというエピソードが掲載されている。そして今、YUKIはまたその頃の自分を取り戻しているという。YUKIが発する言葉の一つひとつからは、デビュー15周年を経て、改めてYUKIという存在を見つめ直し、歩みを進めようとするポジティブな意志が伝わってくる。

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