Sexy Zone 佐藤勝利、“不動のセンター”はもはや宿命? 映画『ハルチカ』など近年の成長を追う

 Sexy Zone・佐藤勝利と橋本環奈がW主演を果たしている映画『ハルチカ』。公開初週の週末観客動員数ランキング(参照:興行通信社)では、初登場8位と好調なスタートを切っている。映画初主演となった本作について、佐藤も舞台挨拶で「思い入れのある作品に仕上がった」と言及。『49』(日本テレビ系/2013年)でテレビドラマ初主演、舞台『ジャニーズ・ワールド』(2015年)で初座長、そして『ハルチカ』で映画初主演と、着実にステップアップを果たしている佐藤の成長ぶりについて、芸能ライターの佐藤結衣氏に話を聞いた。

「佐藤さんは、デビュー当時から“顔面人間国宝”と言われるほど、その整った顔立ちが印象的な方です。事務所に入るなり、デビュー街道まっしぐらだったため、当初は求められるものと自身のスキルにギャップもありました。とくにジャニーズでは、ダンスレッスン以外は独学で経験を積むスタイルなので、演技面については苦労も多かったのではないでしょうか。大きなプレッシャーに潰されまいと、一つひとつニーズに応えていこうという健気な姿勢こそ、佐藤さんの最大の魅力だと思います」

 過去にインタビューで、ドラマ初挑戦となった『ハングリー!』(フジテレビ系/2012年)について、自分で演技がヘタだと思ったこと、周りからの評価も耳にして悔しい思いをしたと語っている。だが、そのあとに「すべてに満足したら上を目指せない」と続けているのが、佐藤の真面目さと向上心を感じさせる。

「今回、佐藤さんが演じたハルタも、高校に入ったら学業に専念するという両親との約束と、幼なじみのチカ(橋本)と共に吹奏楽部を復活させるという目標の間で揺れ動きます。求められる自分に、どうにか追いつこうともがく姿は、佐藤さんがこれまで努力してきた様子に近いのではないでしょうか。また、個性豊かな部活のメンバーとハシャいだり、ぶつかり合う仲間をなだめたり、落ち込むチカを優しく包み込んだりする姿は、Sexy Zoneでいるときの佐藤さんの立ち位置に似ているように思えてなりませんでした。共演者のみなさんは年下が多く、佐藤さんはきっと現場で座長のような役割を担っていたのでは。どこにいっても“不動のセンター”となるのは、佐藤さんの宿命なのでしょう。真ん中に立って広い視野でバランスをとれる人なのだと思います」

 佐藤は、昨年9月に最愛の父を亡くしている。当時、上演中の舞台『ジャニーズオールスターズアイランド』では、自身のセリフに父の死を取り入れて演じきるという役者魂を見せて話題になった。

「ひとりの男性として、大きな試練を乗り越えた時期だったのではないでしょうか。一気に表情が大人びて、これまで以上に仕事に対する責任感、そして覚悟が強くなったように感じました。本作で演奏していたホルンも、当て音ではないとのこと。インタビューなどで“一発で音が出たんですよ、才能しか感じない”なんて、おどけて話されていますが、演奏するレベルになるには、忙しい合間をぬって相当な特訓をされていたはず。そんな水面下の努力を見せずに、誠実に一つひとつの期待に応えていく佐藤さんには、人としての器の大きさを感じます。今後も、きっと大きなプレッシャーと闘いながら成長を続けていくのでしょう。佐藤さんの美しさの源は、内面の強さなのかもしれませんね」

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