BIGMAMA『THE BEGINNING 2007.02.10』レポ

BIGMAMA、“原点”のステージでファンと過ごした特別な時間 『THE BEGINNING 2007.02.10』

 開演の少し前、フロアに入るとパンパンに詰まったファンによる異様な熱気と、少しばかりの高揚感にも似たムードが漂っていた。BIGMAMAが2月10日に東京・LIQUIDROOMにて開催したワンマンライブ『THE BEGINNING 2007.02.10』。そのタイトルが表す通り、BIGMAMAは2007年2月10日に同じ会場であるLIQUIDROOMにて現メンバーである安井英人(Ba)、東出真緒(Violin)が加入し、初めてステージに立った。そのちょうど10年後である、2017年2月10日に再びLIQUIDROOMにてライブをするというのが今回の公演の趣旨だ。

 「当日はささやかながらご報告もご用意しております」。ライブ前日にはこんなアナウンスもされていた。すでに発表されている通り、BIGMAMAは10月15日に初の東京・日本武道館での単独公演『BIGMAMA in BUDOKAN』を開催する。この発表は、ライブのラストに金井政人(Vo、Gu)の口から告げられたものであるが、この日の公演は“武道館決定”という話題で埋もれるべきではない、バンドの原点回帰とファンとの密接な関係が垣間見えるものであった。

 

 金井はライブ中のMCで、「10年後の今日、ステージに立てる喜び。爆発させて帰ります」「10年前の曲たちが至るところに散らばっているので、どうぞご自由に」と、この記念すべき日にまた同じステージでライブができることを素直に喜んでいた。バンドのこれまでのディスコグラフィーが映写された紗幕が降り、メンバー5人がライブの1曲目に選んだのはその“10年前の曲たち”の代表曲とも呼ぶべき「look at me」。デビューミニアルバム『short films』の収録曲であり、後にシングル『alongside』にて再録されたバンドにとっての出発地点の楽曲だ。その後も「CPX」「Neverland」「little cloud」と初期の楽曲を立て続けに投下していく。

 

 10年前の“馴れ初め”を会場のファンから問われ、東出より順に当時のエピソードを話した後、金井は「こんなに飽き性なわたくしがBIGMAMAだけは続けていられるのは、立っているこの4人が天才だから。(ファンの)みなさん一人ひとりにも中毒性があるらしくて、どんどん音楽が楽しくなって、この日を迎えることができました。今日は本当に感謝してます」と挨拶。5人で初めて作った曲「CHAIN」から「Do you remember ?」とシングル『BOYS DON’T FLY』収録曲で繋げてみせた。ここまで“10年前の曲たち”のみを記述してきたが、バンドはここから最新曲を中心とした現在のBIGMAMAへとトップギアで突き進んでいった。

 初めのMCまでの10曲にも次作アルバム『Fabula Fibula』に収録される「Weekend Magic」「Merry-Go-Round」といった楽曲も披露していた。ライブは10年前の「look at me」から始まり、後半には“宇宙初披露”の「ファビュラ・フィビュラ」がパフォーマンスされることになる。アルバムタイトルソングのこの曲は、柿沼広也(Gu、Vo)のエッジの効いたギターから段々とバンドは熱を帯びていく。曲の一番の特徴は、何と言ってもサビに設けられたシンガロングだろう。「秘密」「君想う、故に我在り」といった金井がひたむきに自身と向き合った楽曲もある一方で、「Sweet Dreams」「A KITE」「Make Up Your Mind」「SPECIALS」「MUTOPIA」といったバンドが打ち込み、EDMの要素を強く取り入れ始めた以降の曲は、金井がファンにマイクを預ける姿が多いことに気づく。

 

 「いろんなライブがある中、BIGMAMAを選んでくれてありがとう」「いろんなアーティストがいる中、BIGMAMAを選んでくれてありがとう」。金井はワンマンライブ、フェスのMCでファンへの感謝を述べることが多い。BIGMAMAが毎年恒例で開催している母の日ライブやクリスマスライブなど、趣向を凝らした公演も全てファンを楽しませるために企画されたものに間違いないだろう。「10年は早かった?」というファンからの声に金井は「くそ早かったし、くそ楽しかったです。(『秘密』で)<シークレット シークレット>って歌いながら(思ったのは)、もっとたくさんの秘密を共有していきたいです。もっと特別な関係になりたいです。もっとあなたの特別なバンドになりたいんです」と笑顔を浮かべながら口にしていた。“6人目の”BIGMAMAのメンバーと言わんばかりに、シンガロングは会場の一体感を増幅させる。<僕らは“SPECIALS”>と連呼する「SPECIALS」はスタジアムバンドのような壮大さも持ち合わせた楽曲に成長している。

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