ACE1が明かす、海外シーンで勝負する理由「世界的に活躍する日本人が生まれれば、状況も変わる」

ACE1が明かす、海外シーンで勝負する理由

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「ジャストなものが通用しないのが日本」

ーーACE1さんはアメリカや韓国でもDJプレイを経験していますが、海外と日本のクラブ事情にどんな差を感じていますか?

ACE1:日本は知ってる曲を聴くと盛り上がる、みたいなお客さんが多いような気がします。海外の人は知らない曲でも踊る感覚がある。あとは海外DJからすると日本でやっても価値がないと思われてるような気がするというか。自分のプロモーションにならないと思われてるような気がするんです。要はダンスミュージック後進国だと思われてるんですよね、世界から見ると。アジアで見ても韓国に持っていかれてる感じだと思いますし。それって残念だなと思うんですが、やっと風営法も変わって、2020年には東京オリンピックもある。それに向けて世界的に活躍できる日本人が生まれれば、状況も変わってくるのかなと思いますし、僕もそこをめざしたいなと思ってます。

ーー先程、日本と海外ではプレイの内容を変えると仰いましたが、どのような違いがあるんですか?

ACE1:選曲もMCの内容も変えます。海外だとMCを英語でやりますが、日本語でそれをやるとイメージが全然違うものになっちゃうので、MCがいちばん難しいですね。選曲は、日本はさっき言ったように知ってる曲を求める傾向が強いんで、ヒット曲を多めにかけます。海外だと、みんな知ってて大合唱できます、みたいな派手な曲をかけなきゃならない空気にならないし、今流行ってるジャストなものが通用する。ジャストなものが通用しないのが日本だと思うんで、たとえばダブステップだ、トラップだ、となっても日本のお客さんはなかなか付いてこれない。でも海外だったらそんなことはないし、むしろそれでテンションが上がるんですよね。

ーー今は、どの辺のジャンルをかけることが多いですか?

ACE1:基本はビッグルームとか、いわゆるEDMを中心にしてますけど、最近はいろんなジャンルをかけます。ロービートもかけるし、ときにはダブステ、トラップに入って、たまにハードスタイルをかけたりとか。今は日本でもロービートは必ず入れますね。

ーー最後に、今後の目標を教えてください。

ACE1:まずは今年、海外との契約を決めて、本格的に進出すること。拠点を海外に移そうと思ってるくらいなので、目先の目標としてはそれを実現させて、継続していくことですね。

ーー海外というのは具体的に?

ACE1:DJプレイに関してはアムステルダムとイビザです。もともと語学の勉強も兼ねてアメリカには行こうと思っていたので、契約に時間がかかりそうだったらヨーロッパに渡る前にロサンゼルスに拠点を移そうかと。うまく話がまとまれば、やれることが本当に広がるので、ぜひ実現させたいと思っています。あと単独名義のアルバムもつくれるよう頑張りたいですね。

ーー最後にもうひとつ。DJ ACEとACE1、2つの名義を持っていますが、その使い分けを教えてください。

ACE1:DJ ACEはトランスやサイケのDJをするときとモデルをやるときに使っていて、ACE1はアーティストとかEDM系のDJをするときに使ってます。DJ ACEは良くも悪くも悪羅悪羅系のイメージが残っていて、渋谷っぽいというか、ちょっとチャラい印象があって(笑)。なので、今後はACE1寄りにしていきたいと思ってます。というか、DJ ACEじゃ世界に出ることができないんですよ、同じ名前のヤツが多すぎて(笑)。

(取材・文=猪又孝)

■リリース情報
「Empire」
配信日:2017年2月3日
価格:¥250
iTunes

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