w-inds. 橘慶太、クリエイターとしての能力を発揮 最新曲における2つのポイント

 で、「We Don’t Need To Talk Anymore」が面白いのは、ただボーカルドロップの手法を使ってるということじゃなくて、それを自分たちなりに上手く使いこなしてるということ。具体的に言うとサビで出てくる10回目の「モー・モー・モー・モ・モ・モ」。そこまで9回は「ミ・ミ・ミ・レ・レ・レ」「ミ・ミ・ミ・レ・ミ・ファ#」なのだが、10回目にして最高音の「ラ」が出てくる。そこまでの歌メロの最高音がファルセットで歌っている「♪We Don’t Need To Talk Anymore」の「Don’t」のところの「ファ#」で、それもかなりのハイトーンなのだが、そこから2度音程を上げることで「ボーカルの加工音」が「完全なる電子音」に変わる瞬間が一瞬だけ訪れる。そこがめちゃくちゃいい。自分たちの歌のスキルあってこそのボーカルドロップになっている。

 そしてもう一つのポイントは、コード進行。これもちゃんとトロピカル・ハウス以降のトレンドを踏まえたものになっている。キーはDなのだが、Aメロで使われているコードはG-A-Bmという、4度−5度−6度の進行。トニックに着地しないので浮遊感がある。たとえばThe Chainsmokersの「Closer」あたりにも共通する進行だ。

 ちなみに橘慶太もそれを発売前にツイートで「ネタばらし」している。


https://twitter.com/Official_KEITA/status/806008154739785732?ref_src=twsrc%5Etfw

https://twitter.com/Official_KEITA/status/806011514675138560?ref_src=twsrc%5Etfw

 デビュー15周年を経て、ダンス&ボーカルグループとして新たな歩みを始めたw-inds.。この先は橘慶太のクリエイターとしての能力にもっと注目が集まっていくと思う。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

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