1stミニアルバム『live for LIVE』リリースインタビュー

早見沙織が“歌”を通して見つけた表現方法 声優界随一の歌唱力はいかにして育まれたか?

 

「2016年は改めて絆や縁を感じた」

ーーちなみに、曲をご自身で作る際はどのような方法を取ることが多いですか?

早見:その時々なんですが、メロディ先行で頭に浮かんだものを送ることもありますし、そこにピアノで少しだけ伴奏をつけてみたり。『Live Love Laugh』に入っている「あるゆらぐひ」では、締め切り間近でピアノを弾きつつ歌いつつ「ワー!」とバタバタしていましたし(笑)。最終的には川崎里実さんが素敵にアレンジしてくださったんですけど。

ーー作曲の時にピアノを使うということですが、どんな機材を使うのでしょうか?

早見:いま、家にピアノが2つあるんですけど、1つは祖父祖母が私のために幼少期に買ってくれた、今は生産していない猫足の茶色いアップライトピアノで。ただ、いまはピアノを弾く時間帯が夜になることも多くて、鳴りが大きいのは近所迷惑だから電子ピアノも使っています。ソフトを使うのではなくレコーダーに録音して送ることが多いですね。

ーーシンガーソングライターのデモテープみたいですね。せっかくなので歌詞の制作についても訊きたいのですが、言葉は普段どういう形でインプットしているのでしょう。

早見:歌詞のために意識して本を読んだりすることはないですね。ただ、音楽を聴いている時に自分の楽曲に繋がる歌詞が出てくることも多いですし、もともと本を読むのが好きなので、そこからの閃きもあります。とはいえ最近はあまり読めていないのですが、偶然友達から「もうすぐ休みだから周りの人のオススメの本をいっぱい読みたい」という連絡が来て、江國香織さんの『つめたいよるに』をオススメしたんです。日常のひとかけらだったり、でもすごく重要なテーマが隠れているお話だったりを一瞬を切り取ったような短編集なんですけど、好きすぎて定期的に読んでいるんですよ。

ーー基本はリアリティな世界観のなかで、少しはみ出した出来事や感情から物語が展開していく、という意味では近しいような気もします。

早見:ここが、というわけではないのですが、影響を受けたうちの大きなものであることは間違いないですね。あとは松浦弥太郎さんの『しごとのきほんくらしのきほん100』も何気なく朝に開いて頭の片隅に入れたりします。さっき音楽についてお話したこととも共通するのですが、基本的に色んな事にすぐ興味を持つタイプなんですよね。

ーーすごくインプットに貪欲で、好奇心旺盛なんですね。その上でこれらの作品ができていると思うと、作詞や作曲などアウトプットにも積極的で、音楽や創作が大好きなんだなというのが伝わってきます。

早見:好きなんですけど、提出するのだけはどうも気恥ずかしくて未だに慣れません(笑)。自分で書いたり作ったりしたものは、「私はこう思ってるよ」という塊で、アンパンマンの顔みたいなものじゃないですか。もともとは引っ込み事案なので、出来上がってもなかなか声をかけれないし、メールを送るまでに時間がかかってしまうんです……。

 

ーー早見さんにとっての2016年は、声優さんとしてのお仕事も歌手としての活動も、全方位的に露出があって、傍目から見ると充実したものだったのではと思うのですが、改めて振り返ってみてどうでしょうか?

早見:この間なんとなくぼーっと振り返った時に、仕事的な面でいうととっても密な1年だったなと思いました。スケジュールが詰まっているとかではなく、一つひとつのものたちがこれまで以上に濃かったなと。改めて絆や縁を感じる一年でしたし、一緒に作り上げていくこと、そのうえで打ち解けて臨んだほうがより良いものになるということに気付けた年でもありました。

ーー音楽に関しても、気心知れた人とのセッションの方がグルーヴが生まれたりしますもんね。

早見:そうですそうです! とはいえ一定の緊張感も大事なんですけど、もともと緊張しいなので、リラックスできるくらいがちょうど良いんです。

ーー2017年以降の活動についても伺いたいのですが、声優としてはさらなるブレイクを目指しつつ、歌手としての活動も勢いをますます付けていくと捉えてよいのでしょうか?

早見:2016年はドキドキする新しいことがたくさんあった一年でしたが、このドキドキは2017年も感じることができるような予感がしています。ドキドキもしつつ、楽しみなこともたくさんあって、今まで歌ったことのないジャンル、新しい曲に出会えるのが楽しみですし、私自身ももっと勉強していきたいです。

ーーインプットもアウトプットも充実させていくということですね。

早見:はい。もっともっと努力していかねばと思います!

(取材・文=中村拓海/写真=三橋優美子)

早見沙織_ふりだし

■リリース情報
ミニアルバム『live for LIVE』
発売日:2016年12月21日(水)

CD+Blu-ray盤
CD+特典Blu-ray(ライブ映像収録)+特典CD×2枚組(ライブ音源収録)
価格:¥6,800+税
CDサイズ/アウターケース仕様

CD+DVD盤
CD+特典DVD(ライブ映像収録)+特典CD×2枚組(ライブ音源収録)
価格:¥5,800+税
CDサイズ/アウターケース仕様

通常盤
CDのみ
定価:¥1,800+税

<CD収録内容>
1.ふりだし
2.雨の水平線
3.Secret
4.eve

<特典Blu-ray/DVD収録内容>
※CD+Blu-ray盤、CD+DVD盤共通
早見沙織 1st Concert “Live Love Laugh”LIVE
2016.10.29/市川市文化会館の模様を収録したライブ映像
1.Overture –Live Love Laugh-
2.NOTE
3.やさしい希望
4.水槽
5.MC1
6.ふりだし
7.その声が地図になる
8.雨の水平線
9.あるゆらぐひ
10.HAYAMInst.
11.レンダン
12.MC2
13.Secret

<特典CD収録内容>
LIVE CD(2Discs)
早見沙織 1st Concert “Live Love Laugh”LIVE
2016.11.3/品川ステラボールの模様を収録したライブ音源
<Disc A>
1.Overture –Live Love Laugh-
2.NOTE
3.やさしい希望
4.水槽
5.ふりだし
6.その声が地図になる
7.雨の水平線
8.あるゆらぐひ
9.HAYAMInst.
10.レンダン
<バンドメンバー>
Vocal:早見沙織
Bass:黒須克彦 Guitar:三沢崇篤 Piano:角脇 真 Drums:村田一弘 Manipulator:奥 大輔

■特典情報
特典:B2告知ポスター
対象法人:アニメイト、ゲーマーズ、とらのあな、ソフマップ、TSUTAYA、タワーレコード、HMV

・店舗別オリジナル特典
アニメイト:56mm缶バッチ2個セット
ゲーマーズ:複製サイン&コメント入りA4クリアファイル
とらのあな:複製サイン&コメント入りA4クリアファイル
ソフマップ:複製サイン&コメント入りポストカード
TSUTAYA:複製サイン&コメント入りA3カレンダーポスター
タワーレコード:複製サイン&コメント入りポストカード
HMV:複製サイン&コメント入りポストカード

早見沙織 Warner Bros. Home Entertainment Official Website

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