LILI LIMITのステージには“グルーヴ”があるーーライブバンドとして進化したツアー東京公演レポ

LILI LIMITワンマンツアー東京公演レポ

 山口出身の牧野と黒瀬が福岡に住む土器のもとに移住し、そこに福岡出身の志水と、熊本出身の丸谷が加わって結成された彼らにとって、ここ数年の東京での活動とメジャー・デビューは、バンドの過去を見つめ直す機会にもなったのだろう。そして現在では、時には牧野がステージ前方ギリギリまでせり出してギターをかき鳴らしたり、メンバー全員のアクションが連動する瞬間もあるなど、ライブ面でも多角的に自分たちの音楽を表現する基礎体力を手にしている。「この演奏をもっと大きな会場で観たい」と思えるほど、この日の演奏は、技術面も全体の構成力も大きくスケール感を増していた。中でも圧巻は、イントロのストリングスが鳴ると同時にステージが神々しい光に包まれた「Living Room」。続いてグルーヴィな質感が加わった「Girls like Chagall」で畳みかけつつ、イントロで牧野がふいに呟いた「もっともっと遠くへ!」という言葉は、LILI LIMITの音楽が持つイマジネーションの力を伝えると同時に、より広い世界に踏み出しつつあるバンドの状況にも重なるようだ。

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 アンコールは「Suite Room」と、ライブでの定番曲のひとつ「Festa」。牧野は『a.k.a』のリリースに際する取材やこの日のMCで、「デビュー・アルバムを出したらもう新人じゃない」とたびたび口にしていたが、今回のツアー・ファイナルは、彼らにとって大きな節目となる公演だったのだろう。そしてこの日のライブから感じられたのは、彼らのこれからの歩みをもっと見ていたいと思わせる、未来へのまばゆい可能性のようなものだった。

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(取材・文=杉山仁/撮影=MASANORI FUJIKAWA)

LILI LIMITオフィシャルサイト

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