4thワンマンライブ『お台場で迸るネッサンス!!』ライブ評

アイドルネッサンスは新たな“名曲ルネッサンス”へ 初バンドセットに見たグループの未来

 「私たち、アイドルネッサンスのこの夏のゴールはあそこにあります!」ーー8月7日、『TOKYO IDOL FESTIVAL 2016』で新井乃亜はそう宣言していた。フェスの最終日、ガンダム立像近くに位置するFESTIVAL STAGEの大トリを務めたアイドルネッサンスは、11月6日に行なう4thワンマンライブ『お台場で迸るネッサンス!!』の会場であるZepp DiverCityを全員で指差した。

 そして迎えた当日は、これまでアイドルネッサンスが駆け抜けてきた日々の全てはこのZepp DiverCityに結実するためにあったのではないかと思わせるほどの、輝かしいワンマンライブだった。

 

 「名曲ルネッサンス」をコンセプトに古今の名曲をカバーするアイドルネッサンス。新井が『TIF』で宣言していた通り、今年のグループにとってゴール地点とも言えるZepp DiverCityでのライブは、歌とダンスを中心とした8人によるセットでの第1部と、オワリカラ、炭竃智弘(Key.)、園木理人(Ba.)のスペシャルバンドにヒサシ the KID(THE BEACHES、ex-JERRY LEE PHANTOM)、堂島孝平のゲストを迎えた、グループにとって初のバンドセットでの2部構成にて行なわれた。

 

 ハイライトは1曲目「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」から訪れる。会場に漂う若干の緊張ムードをほぐしたのは、原田珠々華、野本ゆめかの新メンバー2名だった。この曲は間奏からブラスバンドによる演奏のオケが入ってくるが、ここで原田が下手からトランペット、野本が上手から鍵盤ハーモニカを弾きながら登場した。会場の沸き立つ様な歓声と共にメンバーの顔も自然と笑顔に変わっていく。2人がグループに加入したのは、約5カ月前の6月頃。成長目まぐるしい原田と野本は今ではグループに欠かすことのできない、常に刺激を与え続ける存在になっている。

 

 また、この日は冬の新衣装が、登場と同時に初お披露目となった。“真っ白な制服”というグループコンセプトはそのまま、修道服を彷彿とさせる今回の衣装はメンバーの全身がより白に包まれる。華麗に舞うダンスが特徴的な「ベステンダンク」「YOU」では、Zeppの大きなステージにメンバーが纏う白が綺麗に映えていた。

 「太陽と心臓」では比嘉奈菜子がウクレレを披露。沖縄出身である彼女は、自身の生誕企画で過去に三線を弾いていたのを記憶している。“迸るスペシャルバージョン”として比嘉のウクレレに乗せ、アコースティック編成でサビを歌唱。丸く弧を描きながら歌う8人のアコースティック編成は、より歌唱力が際立って聴こえる。その後、披露したKANの「REGIKOSTAR ~レジ子スターの刺激~」、ウルフルズの「それが答えだ!」はワンマンライブの直前に行なわれた『対するネッサンス!!』にて新たなレパートリーに加わった楽曲。エレクトロサウンドの前者は、ノリの良い曲調とユニークな歌詞が特徴であり、「それが答えだ!」は新井のユーモラス溢れるセリフと覚えやすい振りがグループのキラーチューンになっていくのではないか、と感じさせた。

 

 

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