BLUE ENCOUNT、初武道館でオーディエンスと交わした“契り” 「もっとデカい夢が見たい」
前半が終わったところで会場は暗転し、スポットライトがアリーナエリアを次々と照らしていく。そして最後に照らされた黒い幕の中から出てきたのは、グッズの黒いパーカーを着てフードをかぶりDJに扮する高村だ。「高村ップ」と称して、グッズの紹介や「メンバーのいいところ」などをお題に、即興ラップを披露。が、途中から次第にラップはたどたどしくなり……会場は笑いと歓声に包まれる(そして、後から他のメンバーに「途中からラップじゃなくなってたよね」といじられる結果に)。
そして、再びステージに照明が当たると、そこにはストリングス・カルテットの姿があった。先ほどまでは、アッパーな曲を中心にテンションの高いパフォーマンスで畳みかけてきたが、ここは、しっかり歌を聞かせるコーナーのようだ。まっすぐに前を見据えて歌う田邊の姿が印象的だった「YOU」では、ストリングスが奏でる音色とバンドサウンドが繊細に重なり合い、曲に彩りを与えていく。さらにバラード曲「はじまり」は、歌を届けるためにひときわ丁寧に紡がれ、ラストの会場一体となった「ウォーオー」のコーラスには、胸を熱くさせられた。
続くMCでは、「夢を叶えられた」という田邊の発言から、江口にサプライズ・プレゼントが贈られる。ブルエンは、メンバーが高校時代に結成したバンド。当時、江口のギターを壊してしまった田邊が、「俺達が将来、武道館にステージに立ったら、その時はギターを返す」と約束したという。この日のために、田邊は江口に内緒で新しくギターを購入。ステージの上でプレゼントしふたりがハグを交わすと、大きな拍手が送られた。また、前日10月8日から放送がスタートしたドラマ『THE LAST COP』(日テレ系)の主題歌に選ばれたことを受け、武道館に来ていたドラマのスタッフに「僕たちをドラマに出させてください!」とお願い。スタッフは両手で丸印を作って応えると、メンバーはガッツポーズを作って喜んだ。
その主題歌であり11月23日リリースの「LAST HERO」からはじまった後半戦は、気迫のパフォーマンスが続いた。炎の演出を取り入れた「JUST AWAKE」からツービートで駆け抜ける「THANKS」、「LIVER」での会場一斉のタオル回し。ラストスパートに向かう流れは、ブルエンが全国各地のフェスやイベントの舞台で戦い、バンドとして成長してきた証を感じるものだった。そして「このままじゃ終われない、力を貸してくれ!」と田邊が言うと、最新シングル曲「だいじょうぶ」へと突入。