9mm Parabellum Bullet、“滝休養前”の壮絶なステージ 彼らがツアー最終公演で見せたもの
MCの後は「反逆のマーチ」でライブの盛り上がりに再び火をつける。マーチ風のフレーズをハードロックに奏でていく9mmサウンド全開の同曲は、中村和彦(Ba.)が滝のぶんもと言わんばかりに、思う存分アグレッシブなベースパフォーマンスを披露した。かみじょうが叩くひとつひとつビートに重みを感じる「Lost!!」、滝が再びギターを手にとって弾き鳴らす「The Revolutionary」と飛ばし、菅原の「ありがとう」という言葉を最後に「生命のワルツ」を再び真っ赤なライトに包まれながら披露。曲中に菅原が左手の拳を挙げると、シンクロするかのように会場の手が一斉に上がり、最後は5人がそれぞれの楽器を自由にかき鳴らしたあと、彼らはステージを後にした。
アンコールの拍手に応えて登場したのはメンバーの4人。菅原が「ツアーの最終日に最後に1曲だけ演奏しようと思うんだけど、武田くん抜きで4人でやります」と宣言すると歓声が上がった。お馴染みのギターのスラップが聞こえると、さらなる喜びの歓声が上がり、曲に合わせた掛け声とともに演奏が始まったのは1stミニアルバム『Gjallarhorn』収録曲「Talking Machine」。最後の曲を弾き終わりギターを掲げた滝の姿は、まさに達成感を味わっているようだった。
エンドロールでは新作の発表とともにツアー中の映像が映し出されていた。今回のツアーが彼らにとって困難を極めたものだったのは間違いないだろうが、各会場で彼らが生み出した光景は、支え合ったバンドや仲間、ファンとの絆が一層深まったことを象徴していた。滝がアンコールでギターを弾き切った姿は、会場にいた全ての人の目頭を熱くした。
11月9日には、滝が9mmでのライブ活動を休養することを発表した。が、バンドは5日のライブ終盤、2017年春に新アルバムのリリースを明かすなど、まだまだその勢いは止まらない。彼らが手掛ける新曲を楽しみにしながら、再びステージで滝がギターを響かせてくれる日を待ちたい。
(文=大和田茉椰/写真=橋本 塁(SOUND SHOOTER))
9mm Parabellum Bullet
『9mm Parabellum Bullet TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”』
11月5日(土)・東京・豊洲PIT
■セットリスト
1.太陽が欲しいだけ
2.Discommunication
3.モーニングベル
4.インフェルノ
5.ロンリーボーイ
6.スタンドバイミー
7.反逆のマーチ
8.Lost!!
9.The Revolutionary
10.生命のワルツ
en
11.Talking Machine