フリーライブ『the GazettE STANDING LIVE TOUR 16 GRAND FINALE DOGMA-ANOTHER FATE-』レポート

the GazettE、“DOGMA”ツアー69本目の集大成 熱狂が渦巻いた幕張公演レポート

 リーダーである戒がマイクを取り「まだまだ行くぞ幕張! かかってこい!」と絶叫し、彼のドラムから「INSIDE BEAST」へ。久々に披露された初期の代表曲「赤いワンピース」に狂喜し、曲の振り付けを楽しむファンたち。

 この幕張公演は『DOGMA』を冠したライブの通算69本目にあたり、これだけ回った結果として、自分たちが思う形にはできたと語るRUKI。「『DOGMA』はわかりづらいかもしれないけど、気持ちがつまっているアルバムです。いろんなことがあったけど、たくさんの人がついてきてくれたことを感謝しています。今日でツアーも終わりますが、また良い物を作って長いツアーを回れたらと思っています」と述べると、ファンは温かい拍手で受け止めた。

 そして「Filth in the beauty」、「COCKROACH」と畳み掛け、RUKIの「ラスト行こうぜ!」の言葉から、近年のアンコールラスト定番曲である「TOMORROW NEVER DIES」で1度目のアンコールを終え、ステージを後にした。

 ダブルアンコールの声に再度登場したメンバー。「69本ありがとう、最後は『関東』ーーーーー!」と、なだれ込むように初期からの人気曲「関東土下座組合」へ。「待ってました!」と言わんばかりに力の限り暴れるフロア。後方では文字通り座り込んで「土下座ヘドバン」も発生し、カオス状態に。

 そして最後に「バンドはどんどん突き進むのみですので、付いてきてください。今以上に最高の景色が待っていると思います」と宣言し、メンバーひとりひとりにコメントを求めるRUKI。「今日はアットホームな感じで楽しめました」(麗)、「また会えるのを楽しみにしています」(葵)、「俺達はいつもここにいるんで、ライブに来てください」(REITA)、「終わってみたらあっという間で、それは皆さんのおかげです」(戒)など、ツアーの感想やファンへの感謝が語られた。

 そして「(写真を)撮らせてもらっていいですか?」というRUKIの提案から、ステージとフロアの集合写真撮影という、この日ならではの微笑ましいやりとりも。最後に全員で手をつなぎジャンプ、大団円となった。スクリーンに本ツアーのエンドロールが投影され、ライブは終演した……かと思いきや、エンドロール映像に突如ノイズが入り、2017年3月10日に東京・国立代々木競技場第一体育館にて『十五周年記念公演 大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」』が開催されることが発表された。その瞬間地鳴りのような悲鳴がフロア中から巻き起こる。“大日本異端芸者”はこのバンドが初期に掲げていたコンセプト。あえての原点回帰、彼らは何を見せてくれるのだろうか。

(撮影=KEIKO TANABE)

■藤谷千明
ライター。ブロガーあがりのバンギャル崩れ。執筆媒体は「ウレぴあ総研」「サイゾー」「SPA!」など。Twitter

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