『Golden Circle 第20回記念スペシャル ~僕と桜井和寿のメロディー~』ライブレポート
寺岡呼人&桜井和寿が『Golden Circle』で生んだ25年前と変わらぬ空気「呼人くん家のあの感じ」
ライブ終盤、寺岡が「思えば、25年前の1991年。彼(桜井)と楽器車に乗って、名古屋、大阪、そして最後東京と周って。25年経って、形を変えて『Golden Circle』っていうイベントになってますけど、あの時から実は僕がやってたことは『Golden Circle』なのかなって感じがして。25年前のVTRを観るとね、フィンガー5とかウィルソンピケットとかカバーばっかりやって大騒ぎしてるんです。そういうことが未だにこうやって音を鳴らせてるのが本当に幸せだなと思います」と感慨深げに振り返ると会場には温かい拍手が起こった。続けて、寺岡が「最後に、このイベントに通じるかもしれません。2回前の『Golden Circle』で作った曲をお送りしたいと思います。この曲も未来にバトンを渡せるような曲。『Golden Circle』のテーマソングにも相応しい曲じゃないかなと思います」と説明し、寺岡と桜井の共作曲「バトン」を演奏した。この曲は<どうか君に受け取って欲しい この汗まみれのバトンだけど その手を伸ばして>とサビで歌われるが、その歌詞に呼応するように会場のファンのこぶしが一斉に掲げられたのが何とも印象的であった。
期待に満ちたアンコールに誘われメンバーがステージに再び登場すると、寺岡が「1991年、この歌から始まりました! これからも『Golden Circle』よろしくお願いします!」と会場のファンに向け叫び「星になれたら」のイントロが流れ出した。この楽曲が出来たのはMr.Childrenがデビューする前年である1991年。寺岡が作曲を担当し、Mr.Childrenがインディーズ時代から披露し続けている楽曲だ。2番Aメロからは寺岡、桜井の2人が、ステージをぐるっと周りファンとコミュニケーションを取っていく。桜井が<この風は武道館へと つながってるから>と歌詞をアレンジする場面や会場のファンにマイクを預ける場面もあった。最後に寺岡、桜井は肩を寄せ合いながら、リスペクトするかのように相手を指で刺し、大歓声の中惜しむようにしてステージを後にしていった。
寺岡もイベント中、度々口にしていたが、Mr.Childrenのツアーやイベントへの出演、7月に宮城県石巻にて開催する『ap bank fes 2016』、ウカスカジーのツアーなど桜井は現在至極忙しいスケジュールにある。そんな中、出演した今回の『Golden Circle』では、桜井が「呼人くん家で呼人くんの友達と、ゆずの2人とで歌本見ながら歌ってる、あのリビングの感じよ」とリラックスした状態でイベントを楽しんでいる様子が見て取れた。これが25年来の2人の仲であると同時に『Golden Circle』が生み出すアットホームな空気なのだろう。桜井をゲストに迎えた『Golden Circle』は、8月2日に大阪城ホールでも開催される。そこでも、またアットホームな空気が会場を包むに違いない。
(取材・文=渡辺彰浩/写真=ほりたよしか)