『GIRLS DON’T CRY vol.3』レポート

“2.5D”というメディアが繋いだ越境的な音楽 主催イベント『GIRLS DON’T CRY vol.3』レポート

あっこゴリラ。

 3番手のあっこゴリラは、2015年から紙芝居ラッパーやフリースタイルバトルMCとして話題を呼んだアーティスト(現在は紙芝居を卒業)。彼女のステージでは、ゲーム『ドンキーコング』のサウンドトラックを使用したSEとともに、カディオ(Dr./QUATTRO)、Ryuki(Ba./前田竜希)、武田駿平(Gt.)、福山タク(Sax.)という、屈強で顔の濃い男性メンバーで構成させた“ジャングルバンド”が顔を揃え、会場にはここまでと違った熱気が漂う。

あっこゴリラ。

 そこへあっこゴリラが現れ、カディオとあっこゴリラのラップからスタートする「ゴリラ夫妻」でライブをスタート。「TOKYO BANANA」、「KAMIKAZE」、「ゴリラの生態」と続けたあとのMCでは、「ラッパーって大体地元を背負っているわけですけど、私はジャンルの垣根をぶっ壊してバナナのように食っちまうかということで、“レぺゼン地球のゴリラッパー”として地球を背負っているんです」と語り、ジャングルバンドのセッションから、あっこゴリラがフリースタイルを披露。5曲目にはネットの誹謗中傷をネタにしたラップに合わせ、観客がケチャを繰り出す「ハゲ」で会場を盛り上げた。ここで少し時間が巻いていることに気付いたあっこゴリラは、カディオとのユニット“ゴリラ夫妻”の活動内容について解説したあと、最後には女性の幸せについて緩急をつけたラップとバンドサウンドが特徴的な楽曲「ビューティフル・ウーマン」を繰り広げ、ステージを後にした。

CICADAの城戸あき子(左)と仮谷せいら(右)。

 あっこゴリラのステージが終わると、ラウンジでのトークセッションには2組目の仮谷せいらと城戸あき子が登場。先週もライブで共演したばかりという両者は、CICADAがこの日からコーチジャケットを販売し、それを仮谷が着用していることから、2組のグッズやアートワークがお洒落であることに及び、城戸は「マネージャーがオシャレ番長で、ぐいぐい引っ張ってくれている」とコメント。仮谷は「アートディレクターの水谷慎吾さんがオシャレなんです」と述べつつ、グッズの方向性について「普段使いできるものを意識している」と語ってくれた。

H△G。

 イベントも後半に差し掛かり、メインステージに現れたH△Gは、ボーカルのChihoを中心とした、コンポーザー&クリエイター集団。今回はバンドメンバーを除く、ChihoとShokoの2人編成で登場し、切ないピアノの旋律から徐々に盛り上がりを見せる人気曲「星見る頃を過ぎても」からライブをスタート。続けて四つ打ちのダンストラックとChihoのクリアな歌声が甘酸っぱさを感じさせる「セブンティーン」、トークセッションでも制作理由について語っていた「△(ティアドロップ)」など、新曲を惜しみなく披露。ダイナミックな演奏がない形態ならではといえる、シンプルで繊細なパフォーマンスで楽曲をしっかりと聴かせていた。

H△G。

 続けて「ナズナ」をパフォーマンスしたH△Gは、Shokoが「5周年という大事なイベントに呼んでもらえることって、言葉よりなによりすごく素直に伝わって嬉しい」と喜びをあらわにすると、続けて「最後は盛り上がっていきましょう!」と、疾走感のあるエモーショナルなサウンドに、Chihoの清涼感ある歌声が乗った「カラフル」を披露し、会場を盛り上げたところで出番が終了した。

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