The Cheseraseraの「よさ」をどう言語化するか? 柴那典が関係者アンケートから考察
質問は二つ。Q1は「The Cheseraseraの好きなポイントは?」、そしてQ2は「同じようにそれを感じたり、連想する他のものは?」。音楽、小説、映画、ファッションなどカテゴリーにこだわらず一つを挙げてもらった。
以下が、その回答。とても興味深い内容になった。
A1:「どこか懐かしさを感じる曲たち」
A2:「キクチタケオ氏が手がけていた頃のメンズ・ビギ」
(ジャケットデザイナー青屋貴行氏)
A1:「メロディーライン、3ピースとは思えない音圧、文学的な歌詞」
A2:「鈍行電車内から見える車窓風景(ノスタルジックな映像を想起させる)」
(某TVプロデューサー)
A1:「やるせない想いを、等身大の日本語ロックで表現。泥臭いけど、語感の良い言葉と良いメロディーで、疾走感・爽快感もある事。また、宍戸さん独特の<色気>・<味>・<深み>がある声で包んでくれる感覚や、日常の生活に寄り添ってくれるような感じが好きです」
A2:「作品によって内容や、声の種類は違いますが、個人的には、初期のくるりの岸田さんの歌を聴いた時のような感覚がします」
(@FM三輪徹氏)
A1:「今の音楽シーンにこそ必要な真摯でまっすぐなギターロックサウンド。
きっとどこかで誰かの心に深く響くと思います」
A2:「初期のBUMP OF CHICKEN」
(カメラマン伊藤彰浩氏)
A1:「行ったり来たりの人生をもがき、さ迷うような感じの歌詞とギミックの無いシンプルなサウンド」
A2「暗闇の先に光る微かな青い光」
(cross fm ディレクター岩村佳彦氏)
A1:「美しいメロディーと、美しい日本語の語感。ギターロックというジャンルにあり、バンドとしての激しさやエネルギーもさることながらその中に、必ず光る“美しさ”。The Cheseraseraの魅力を語る上で、“美”というのは、重要なキーワードだと思います。」
A2:四季。
この国には、偶然にも4つの季節があり、常にうつろいで行くわけですが、どの季節にも必ず、それぞれの美しさが感じられる。
そんな点で、共通する部分を感じる気がします。
(cross fm ナビゲーター コウズマ ユウタ氏)
A1:「宍戸君と西田君と美代君の3人が一緒にやれる事って、ケセラ以外に無いんじゃないでしょうか。The Cheseraseraというバンド自体が奇跡だと常々感じます。3人が好きです」
A2:「こんな3人みたいな友達が居た気がします。彼ら(The Cheserasera)と出会ったのは数年前なのですが、ずっと昔に知り合って、ずっと昔から友達だった気がします。曲を聴くたびライブを観るたび会話をするたび『馬鹿だなぁ。』『あーなんか照れるなぁ』といった感情が生まれます。連想されるものは、青春だと考えます」
(Zher the ZOO YOYOGI 後藤瞬氏)
それぞれ観点は違うけれど、浮かび上がってくるのは「ノスタルジー」というキーワード。決してレトロなことをやっているわけではないけれど、彼らの真っ直ぐなギターロックは、それぞれの「あの頃の記憶」を呼び覚ますような響きを持っているのだろう。
「青さ」というのもポイントだ。The Cheseraseraの楽曲が持つエモーションは、やるせなさや、煮え切らなさや、迷いや、そういう宙吊りな感情を根っ子にしている。今作『Time To Go』について宍戸翼は「出会いや別れ、決意の瞬間の曲達です」と語っているが、それも、不確定な未来を前にしたからこそ芽生えるような情感に彩られている。
「センチメンタル・ギターロックバンド」という旗印を掲げる彼ら。そのセンチメンタリズムは、一人ひとりの「個」の感情に寄り添う所から生まれてくるものなのだろう。
(文=柴那典)
■リリース情報
『Time To Go』
発売:2016年4月6日(水)
価格:¥2,667(税抜)
■ライブ情報
「Zher the ZOO YOYOGI 11th Anniversary
2nd Full Album「Time To Go」リリース記念
The Cheserasera presents 歌い手冥利につき LOST IN TIME編」
4月9日(土) 東京 Zher the ZOO YOYOGI
「The Cheserasera “ Time To Go Tour ”」 ※全てワンマン
6月3日(金) 仙台 Flying Son
6月5日(日) 札幌 SPIRITUAL LOUNGE
6月11日(土) 福岡 Queblick
6月18日(土) 大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
6月19日(日) 名古屋 HUCK FINN
6月26日(日) 東京 WWW
全公演来場者特典あり
「インストアライブ」
4月23日(土) 18:00 広島アリスガーデン(即売:タワーレコード広島)
5月14日(土) 15:00 タワーレコード津田沼店 店内イベントスペース
5月22日(日) 13:30 タワーレコード渋谷店4F 店内イベントスペース
6月2日(木) 18:30 タワーレコード仙台パルコ店 店内イベントスペース
6月12日(日) 14:00 キャナルシティ博多B1F サンプラザステージ