太田省一『ジャニーズとテレビ史』第十五回:『ジャニーズとテレビドラマ』

SMAP・木村拓哉、V6・岡田准一、嵐・二宮和也……ジャニーズとテレビドラマの深い関係を解説

 岡田准一に関しては、2014年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の主役にもふれなければならないだろう。1972年に歌手デビュー前の郷ひろみが『新・平家物語』に出演するなどジャニーズと大河ドラマの縁は意外に古いが、主演となると1993年『琉球の風』の東山紀之が最初ということになる。その後2004年『新撰組!』の香取慎吾、2005年『義経』の滝沢秀明も主役を務めた。大河ドラマと言うと歴史を題材にした重厚なドラマのイメージが強いが、必ずしもそれだけではない。特に主人公については、幼少期からの成長物語、青春ストーリーの側面もあるため、アイドルとの親和性が高いとも言える。

 こうして、学園ドラマから始まったジャニーズとドラマの関わりは、大河ドラマを筆頭にあらゆるタイプのドラマに及ぶようになった。となると、ジャニーズにとって演技とはどのようなものなのか? というのも気になる点だ。

 ひとつ思い出すのは、かつて中居正広がジャニーズの演技の秘密について語った言葉だ。その時「なんでジャニーズの子は演技がうまいの? 」と聞かれた中居正広は、「たぶん踊りがあると思いますね、リズムが」と答えた。リズム感の良さは当然セリフの間や共演者との呼吸の良さに通じるだろう。今回はジャニーズ的演技論にこれ以上立ち入ることはしないが、そのあたりに注目してこれからジャニーズの出演ドラマを見てみるのもありかもしれない。

■太田省一
1960年生まれ。社会学者。テレビとその周辺(アイドル、お笑いなど)に関することが現在の主な執筆テーマ。著書に『中居正広という生き方』『社会は笑う・増補版』(以上、青弓社)、『紅白歌合戦と日本人』『アイドル進化論』(以上、筑摩書房)。WEBRONZAにて「ネット動画の風景」を連載中。

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