嵐、関ジャニ∞、ジャニーズJr.…「卒業ソング」の裏側にある隠れたエピソードとは?

 2016年も既に3月に入り、卒業や旅立ちのシーズンが近づいている。学校や会社からの卒業、仲間や家族の新しい地への旅立ちなど、さまざまなシーンが挙げられるだろう。今回は、そんなシーンを盛り上げてくれるジャニーズの楽曲と、その裏側にあるエピソードに注目してみたいと思う。

嵐「season」

(C)タナカケンイチ

 「season」は、ジャニーズの卒業ソングに必ず挙がると言っても過言ではない楽曲だ。『卒業ソングランキング2013』(オリコン調べ)で9位にランクインしたこともある同曲は、2009年発売の27枚目のシングル『Everything』のカップリングとして収録された曲で、auのCMソングにもなっていた。2009年と言えば、嵐結成10周年の年。ベストアルバムで初のミリオンセラー達成、史上初・オリコン年間チャート4冠達成、『VS嵐』(フジテレビ系)のゴールデン進出、『NHK紅白歌合戦』(NHK)初出場など、グループとして一番勢いに乗っていた頃でもある。“その時期の卒業ソング”と考えると、グループとしての新境地を歌っているようにも思えてくるのではないだろうか。歌詞の中の<あの頃 憧れてた 未来を歩き出した/わからなかったこと少し 分かり始めた気がする><思い出を抱きしめながら 僕たちは歩いてゆくよ>という部分に注目すると、これまでのグループの在り方から旅立ち、新境地へ向かっていく決意にも取れる。実際、2010年以降は楽曲に関する新記録を次々と樹立したり、史上初となるグループでの紅白の司会、斬新な演出を取り入れたコンサートなど、“ジャニーズ初”と言われる試みを多く実行している。聴いている我々にとっても、希望を抱かせてくれる一曲だ。

関ジャニ∞「無限大」

(C)タナカケンイチ

 10年以上前の2005年に発売されたこの曲も、ファンの中でかなり根強い人気を誇ってる。「無限大」が発売された後、元メンバーの内博貴の脱退が発表されたため「内に宛てた曲では?」とも言われているが、より大きなテーマである「グループの絆」を歌っている一曲だ。歌詞も“関ジャニ∞というグループの関係性”を彷彿させる内容になっている。当時、関ジャニ∞は念願のデビューを果たしたものの、長らく苦しい時期を過ごしていた。そんな彼らが<夢に描いた世界はいつも 思うほど簡単じゃなくて/こぶし握って積み上げた日々は たからものにかわるさ>と歌うからこそ、共感が生まれるのだ。辛かった時期を共に過ごした仲間との絆を歌う歌詞は、卒業にピッタリだ。そんな彼らの思いが通じたのか、「無限大」が収録されている3枚目のトリプルA面シングル『好きやねん、大阪。/桜援歌(Oh!ENKA)/無限大』は、はじめて全ての曲でタイアップが決まった記念すべきシングルでもある。

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