水曜日のカンパネラ、インディーズのままお茶の間へ 『Mステ』初出演に期待できること
また、一般リスナーや、お子様人気の高い楽曲「桃太郎」など、誰しもが共感できるお伽噺をテーマとしながらも歌詞に“PCエンジン”“ハドソン”“16連射”などのフレーズがごく自然に登場するなど、“80年代に生きたかつての小学生心”をくすぐる謎のテーマ設定のユニークさが、ラジオ界隈で評価された現象も興味深い。ある種、マニアックなネタがちりばめられながらも世の中的に大ヒットした宮藤官九郎脚本のNHK朝ドラ『あまちゃん』と楽しみ方の構造が近いのかもしれない。そして、水カンはインディーズ・アーティストながら、ついに『ミュージックステーション』出演にまで登り詰めたのだ。
そんな、水カンはいつの日からか海外展開を夢見ていたという。オーディエンスの心も身体も踊らせる低音の効いたこだわりのサウンド・メイクや、コムアイがステージでオーディエンスを扇情する様は、世界を席巻しているEDMカルチャーの文脈にも近かったという発見があったのかもしれない。今年、3月15日には世界最大規模の音楽・映画・ITのコンベンション&フェスティバル『SXSW 2016』への出演が“WEDNESDAY CAMPANELLA”名義で決定している。水カンが、世界へ向けてどんなパフォーマンスを披露するかが楽しみだ。
(文=ふくりゅう(音楽コンシェルジュ/Twitter))