>  > afoc佐々木が表明する、“ロックンロール”への危機感

シングル『花』インタビュー

a flood of circle佐々木亮介が表明する、“ロックンロール”への危機感「一番ポップな部分から、バンドが置き去りにされてる」

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

20151106-afoc5.jpg

 

「インディー・バンド界隈の箱庭感が強まっている」

――イギリスではザ・ストライプスのような10代のバンドも出てきていますが、そのあたりはどうですか?

佐々木:そうだなあ、さっきから言っている「青春感」というキーワードで言うと、ザ・ストライプスは若いけれど、そこまでない気がする。新作はどんどん成長して青春っぽさを抜けようしている感じがある。

The Strypes – Get Into It

サーカ・ウェーブスは青春っぽくて好きなんですけれど、YouTubeの再生回数が思ったより少なかったりする。「あれ、盛り上がってないのかな?」って。青春っぽさのあるロックンロール・バンドって、流行ってないのかなって思っちゃいますね。

Circa Waves – Fossils

――なるほど。たしかにロックンロールという音楽が今の海外のシーンで、より成熟したもの、より渋くて大人っぽいものになっている感じはすごくありますね。そこはストロークスやリバティーンズが登場したゼロ年代初頭との大きな違いになっている。

佐々木:海外のフェスを見ていても、まずバンドは少なくなっていますよね。もちろんロックンロールが好きだから、ベンジャミン・ブッカーとかが出てきてるのは嬉しいんですよ。でも、全体の状況を見るとロックンロールが追いやられてる感がある。それはすごく怖いですね。

――ロックンロールが追いやられている感覚があるというのは、どういうところから感じますか?

佐々木:やっぱり「ロックンロール」というキーワードで活動している人たちが、ちょっと懐古的になっているからだと思うんです。「お、懐かしい感じの来たね」っていう評価にしかなってない。言ってしまえば、ザ・ホワイト・ストライプス以降、誰もロックンロールの分野で革新的なことができていないからかもしれないですね。

――なるほど。やっぱりゼロ年代初頭から更新されていない。

佐々木:単純に、俺がバンドファンだから、今も海外の新しいバンドは沢山聴くんです。でも、なかなか新鮮に感じるものがない。そういう実感はありますね。

――佐々木さんは『MUSICA』という雑誌で海外アーティストのディスクレビューも定期的に書いているし、いろんな新譜をかなりチェックしていますよね。しかも、バンドだけじゃなく、R&Bも、エレクトロニック・ミュージックも、ヒップホップもチェックしている。革新的な音楽シーンがどこにあるか、そういうところにもアンテナを張っている。

佐々木:そうですね。してる方だと思います。

――いちリスナーとして、どういったところに惹かれますか? どういうところに革新的な、挑戦的な音楽シーンの動きがあると思っているか。

佐々木:俺は今の時代が面白くないとは全然思ってないんですよ。新鮮なことをやっているミュージシャンも沢山いる。でも、やっぱりバンドじゃないんですよね。たとえば<XLレコーディングス>からデビューしたソロ・シンガーのシャミールのエレクトロっぽさは、すごく面白いし。

Shamir – On The Regular [Official HD Video]

 あとは、ロンドンにある<ヤング・タークス>というレーベルもすごく面白い。

――THE XXやFKA Twigsの所属するレーベルですね。

佐々木:こないだアナログ盤でコンピを買ってきたんですけど、ひと通り聴くと全部面白いし、格好いい。

――ヒップホップやR&Bのあたりではどういうところが刺激的ですか?

佐々木:ジ・インターネットはいいですよね。

The Internet – Get Away

 何故かというと、俺としてはブルースが好きだからヒップホップが好きになってるところがあって。そこの共通点って、みんなキャラで勝負してるんです。ブルースマンも、ライトニン・ホプキンスみたいにキャラクターがちゃんとある。ジ・インターネットはそういうところが面白い。今はヒップホップとR&Bが入り乱れていて、混ざってる感じがありますよね。ただ、自分はやっぱりバンドが好きなんですよ。だから、こういう話をしている時に、本当にドキドキする生々しいバンドサウンドを鳴らしている面白いバンドを思いつかないというのは、正直悲しいですね。

――それが先ほどの「ロックンロールが追いやられている」という状況認識につながっている。

佐々木:そうですね。特にインディー・バンド界隈の箱庭感が強まっているというか。J・コールとか聴いてると、すごく広いところまで届いている感じがあるんですよ。それが音にも出ている。だけど、ロックンロール・バンドのキャパが狭くなってるような気はちょっとするかな。今のポップミュージックの一番ポップな部分から、バンドがどんどん置き去りにされてると思う。

「a flood of circle佐々木亮介が表明する、“ロックンロール”への危機感「一番ポップな部分から、バンドが置き去りにされてる」」のページです。の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版