ピロスエの徹底リサーチ
16年目の「LOVEマシーン」別バージョン・カバー図鑑――モー娘。の代表曲はどう歌われてきた?
モーニング娘。における最大のヒット曲でありグループの代表曲のひとつ「LOVEマシーン」がリリースされたのは1999年9月9日。本日で発売から16周年を迎える。
このLOVEマシーンは、オリジナル以外のバージョン違いが多数存在することでも有名だ。モーニング娘。の別メンバーによる歌い直しバージョン、ライブでのセルフカバー、ハロプロ内の別グループによるカバー、ハロプロ外の別アーティストによるカバー等々……。今回の記事では、主に「レコーディングされ音盤として残された」別バージョンおよびカバーバージョンについて網羅・紹介していく。LOVEマシーンという楽曲の影響力の大きさをぜひ感じ取ってほしい。
オリジナル
[1999.09.09]モーニング娘。「LOVEマシーン」(zetima)
今回の記事の起点となるアイテム。モーニング娘。7枚目のシングルとして発売された、作詞・作曲:つんく/編曲:ダンス☆マンによる、ディスコサウンドをベースにした永遠のポップチューン。
オリジナル盤である[EPDE-1052]は現在廃盤となっており、2005年3月2日に新たに発売された[EPCE-5319]が現行盤ということになる。より正確に記述すると、娘。の初期のシングル8作にボーナストラック等を加え、さらにカラオケトラックも収録した9枚組CDボックス『モーニング娘。EARLY SINGLE BOX』が2004年12月15日に発売されたのだが、これをバラ売りしたうちの一枚が[EPCE-5319]である。
ボーナストラックは「LOVEマシーン (Early Unison Version)」で、完成形とは異なるレコーディング途上のバージョンであり、メンバーの歌唱がユニゾンだったり、声ネタの配置が異なっていたりなどの違いが楽しめるレアトラックとなっている。
オリジナルバージョンのLOVEマシーンは、このシングルの他に、2000年発売のオリジナル3rdアルバム『3rd -LOVEパラダイス-』や、2001年発売のベストアルバム『ベスト!モーニング娘。1』、さらに他のベストアルバムにも収録されている。
[1999.10.06]モーニング娘。「LOVEマシーン」(zetima)※12inch
シングル「LOVEマシーン」は、CDの他にもアナログレコードの12インチLP盤がリリースされている。収録曲はA面が「LOVEマシーン」「LOVEマシーン (Instrumental)」、B面が「LOVEマシーン (analog remix)」「LOVEマシーン (analog remix Instrumental)」の4曲。リミックスはKH-Rこと長谷川晃一郎が担当しており、7分1秒のフロアユースなハウスサウンドに衣替えされている。このリミックスバージョンは、2000年発売のハロプロのベストアルバム『プッチベスト ~黄青あか~』に収録され、CDでも視聴可能となった。
また、B面最後にはシークレットトラックが隠されており、「じゃないっ(市井紗耶香)」「ダンシンオールオブザナーイッ(安倍なつみ)」「ラブマシーン…(矢口真里)」といった曲中の声ネタがバラで収録されている。
[1999.10.14]モーニング娘。「ザ・ビデオLOVEマシーン」(zetima)※VHS
こちらは音盤ではなく映像アイテムだが、関連リリースとして挙げさせていただく。LOVEマシーンの衝撃は楽曲のみならずそのミュージックビデオの完成度の高さに拠るところも大きく、当時の『ASAYAN』(テレビ東京)でのオンエアはインパクト大だった。こうして一曲単体のシングルビデオが発売されたことにより、そのインパクトがより世間に深く浸透していったのは間違いない。
別バージョン
続いて、ハロプロ関連アーティストたちによるカバーやリミックスなどの別バージョンのケースを見ていこう。
2002年夏、ドリフターズのメンバーでウクレレ奏者としても名高い高木ブー、そしてハロプロメンバーたちの二者によるコラボ企画シングルがリリースされた。それが「モーニング娘。シングルメドレー ~ハワイアン~」である。曲名が示すとおり、娘。のシングル曲をハワイアンアレンジで編曲し、メドレー形式でカバーしたものである。選ばれた楽曲は「ザ☆ピ~ス!」「恋愛レボリューション21」など7曲で、LOVEマシーンも含まれている。ゆったりとしたテンポとリラックスした歌唱によるなごみ系な仕上がりだが、こうした企画盤が成立し得たところに当時のモーニング娘。およびハロプロの勢いを感じさせる。
シングルに続いてアルバム『ハワイアンで聴くモーニング娘。シングルコレクション』もリリースされ、こちらには「モーニング娘。シングルメドレー ~ハワイアン~」のほか、「ハッピーサマーウェディング」「真夏の光線」など楽曲単体のハワイアン編曲バージョンが収録、LOVEマシーンも3曲目に収められている。
ハワイアンの次はトランス?とばかりに同年秋にリリースされたのがこちらの企画アルバム。上記5組の楽曲をトランステクノサウンドでリミックスした15曲入り。「LOVEマシーン (TRANCE REMIX)」は10曲目に収録。全曲のリミキサーとしてクレジットされているのは「WM PTARMIGAN」なる名義で、アルバムのプロデュースは月光恵亮。他にも同年12月リリースのX JAPANの同趣向アルバム『Trance X』9曲目などで同名義が確認できる。
時は流れ、LOVEマシーンリリース時のオリジナルメンバー全員が卒業した後でもモーニング娘。は存続しており、2013年にグループのシングル曲をEDM調サウンドで衣替えしたリアレンジベストアルバムをリリース。「LOVEマシーン (updated)」(編曲:平田祥一郎)はド頭1曲目に収録され、モーニング娘。の新時代フォルムアピールの象徴となった。