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メロキュア特集Part.2:『メロディック・スーパー・ハード・キュア』を語り尽くす

メロキュア・日向めぐみ × クラムボン・ミト対談 ミト「むせ返るスウィート感に音楽的な強さ感じた」

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西脇辰弥ワークス

ミト:あと「Agapē」に関しては、西脇辰弥さんの熱意みたいなものがデータにもやっぱり残っていまして(笑)。

 まずすごいのは、「Agapē」のオリジナルヴァージョンはピアノが一発なんですね。ほとんど一発で、一箇所だけちょっと手が入っているか入っていないかくらいで、ほぼまっさらなんです、本当に。

 西脇さんワークスというのが普段どういう感じなのかあまり知らないんですけど、あの「Agapē」のセッションファイルを見たときに思いましたね、「ああ、この人はやっぱり偏屈だわ」って(一同笑)。日本人としてのこだわりというか、細かいところに目が行ってしまうというか。

 それでいて、西脇さん、ギター弾けないですからね。ギターみたいに聴こえるの、全部キーボードだという。ギターソロみたいに聞こえるのも、だからよくよく音を聴くとキーボードソロなんですよ(笑)。たとえば「愛しいかけら」とか、イントロの歪んだギターストローク、あれ全部シンセですからね。

――えええっ!? ずっとギターだと思ってましたよ!

ミト:「マジですかー!?」って思っちゃうんですけど、だからやっぱりちょっと狂ってますよね、確実に(笑)。ギターで普通にあのイントロやったら、どれだけアンプ通さないでラインとかで歪ませたんだぐらいのいびつさがあるわけですけど、そりゃそうですよね、キーボードはライン楽器ですもん(一同笑)。

 曲の構造がいびつに聞こえるのも、だから、西脇さんのそういう気質が反映しているところがあると思うんですよ。

――やー、これはちょっといい話ですねー。

ミト:いや、本当に。僕は谷村有美がすごく好きで、なかでも『愛は元気です。』(91年)がすごく好きだったんですが、あれは西脇さんワークスといっても差し支えない名盤なんです。だから「Agapē」も西脇さんワークスというイメージで聴いていたところもあって、それが2004年にメロキュアを聴いてぐっと入り込めた理由のひとつにもなっているかもしれません。

 メロキュアは、何かもう、発想がいろいろな部分で飛んでいた人たちが集まっていたイメージはありますよね。何でしたっけ? 前にmegさんから「寝ながら歌った」というのを聞いたのは……

日向:ああ、「「虹をみた」」です。

ミト:「寝ながら歌って録音した」って言うんですよ。意味がわからないので、「ごめんなさい、どういうことですか?」って聞き返して。

日向:Aメロが始まる前までの頭サビの部分は、布団を敷いてもらって、そこに寝た状態でマイクセッティングをしてもらって歌ったんです。

ミト:何でそれをやりたかったんですか?

日向:設定的に、ベッドの中でメールしていたり、電話していたり、そういうシチュエーションと、その状況の質感というか、テクスチャーというか、その感じを出したかったんです。ちゃんと発声はできない状態での歌、みたいな。寝っ転がっている感じの、鼻歌じゃないですけど、そういうイメージだったんですよね。

 ちょうどそのとき、私、『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ』という本を愛読していたんです。それで、いろいろみんな楽しいことやっていていいな、私もやろうと思って。

――あの本を通読する人も珍しい。セッションデータ集ですよね、あれ。

日向:そうです(笑)。でも今思えば、ああいう細かいことを記録してくれている人がいるってすごいなと。メロキュアのレコーディングのときのああいう記録があったら、すごく読みたいですもん。

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