東京弐拾伍時『TOKYO 25:00』インタビュー

東京弐拾伍時×DJ HAZIME座談会 DABO「時代や世代によってラップすべきことは違う」

 

 DJ HAZIMEの指揮のもとに始動したプロジェクト、東京弐拾伍時。DABO、SUIKEN、MACKA-CHIN、S-WORDと聞けば誰もが伝説の ヒップホップ・ユニット、NITRO MICHROPHONE UNDERGROUNDの存在を思い出すのではないだろうか。ニトロとして経験を積んだ彼らが2015年に発しようとするステイトメント、そして彼らが見る現在のヒップホップ・シーンとは?

MACKA-CHIN「結果的に東京弐拾伍時は、HAZIMEの言った通りにやったら、とてもきれいにまとまった」

――今回の東京弐拾伍時のプロジェクトは、もともとDJ HAZIMEさんが昨年発表したミックスCD『Manhattan Records "The Exclusives" Japanese HipHop Hits Vol.4』に起因するものですよね?

DJ HAZIME(以下、HAZIME):例年発表しているミックスCDシリーズなんですが、昨年のリリースの際に「今年はどういう人たちと曲をやったら面白いかな?」とスタッフと話していたら、DABO/SUIKEN/MACKA-CHIN/S-WORDの名前が挙がったんです。彼らと付き合いはあるものの、長い間一緒に曲を作ることはなかったので、このプロジェクトに関して「どうかな?」と直接電話して反応を窺って。そうしたら各々が「お、面白そうだね」というリアクションだったので、一曲作るところからスタートしました。

――そこで、ミックスCDに収録したエクスクルーシブ・トラック「東京弐拾伍時」が誕生したわけですね。

HAZIME:みんなで集まって、1日かけてレコーディングしました。

DABO:いやー、楽しかったねえ。

S-WORD:このメンバーでのレコーディングは、かなり久しぶりだったけど、そんな感覚もあまり沸かなかったですね。

「東京弐拾伍時」/DABO, MACKA-CHIN, SUIKEN & S-WORD

――その時点では、こうしてミニ・アルバムにまで発展する構想はなかったのでしょうか?

HAZIME:うん、当初は一曲だけの企画だった。でも、ありがたいことに「東京弐拾伍時」の反応が結構あったんで、昨年末に「来年あたり、ミニ・アルバム作ってみようか?」とスタッフと話し合って。じゃあ、もう一回みんなに電話してみようと。

DABO:HAZIMEとスタッフは確実に味をしめたんでしょうね。「評判いいんで次もやりません?」なんていう、とってもストレートなオファーをされましたよ。とはいえ俺らも「イエーイ」みたいなリアクションでしたけどね。もともとDJ HAZIMEの企画ものとして始まったから、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのときや自分のソロ・プロジェクトとは違う楽しさもあったんで。

MACKA-CHIN:だね。懐かしいメンバーではあったけど、新鮮に感じたし。責任とってくれる人もいたんで、気持ちも軽やかでしたから。

――今回、HAZIMEさんは〈A&R兼プロデューサー〉としてクレジットされていますね。

HAZIME:A&Rというよりか、レーベルのスタッフと東京弐拾伍時のメンバーをつなぐ役として動いたという感じかな。しかもね、レーベルのスタッフさんがみなさんの機嫌を損ねる発言を多々するわけですよ。いろんなエピソードがありますが、細かすぎて時間がかかるので、ここではとりあえず割愛しときます(笑)。

MACKA-CHIN:今回はディレクションもHAZIMEがやってくれたんですよ。例えば、レコーディングではメンバーそれぞれが書いたリリックをHAZIMEがチェックする。いざレコーディング・ブースに入って録音すると、HAZIMEが向こう側で「ここ、ズレてる。一箇所だけ気になる」って指摘を入れてくる。しかも、俺としてもちょっと気になってるところを的確に突かれたもんだから、いつの間にかHAZIMEは潮を吹かせるのが上手になったなー、と感じましたよ。結果的に、HAZIMEの言った通りにやったら、とてもきれいにまとまったっていうね。

――ゲストに迎えているアーティストも、AKLOとMURO、そしてPUSHIMとミニマムに抑えられている感じがしました。しかも、過去から現在に向けてそれぞれの世代を代表するアクトですよね。

DABO:当初はゲストはいなくてもいいかな、なんて話してたんですよ。

S-WORD:でも、レコーディングの流れで、フィーチャリングが必要であれば、その都度みんなで話し合って決めようと。

DABO:AKLOをフィーチャーした「Lucifer's Out」は制作段階ではなかなかサビが完成しなくって、そしたらレーベルのスタッフが「こういう感じはどうですか?」って、AKLOにサビを歌わせた音源を録ってきてくれたんだよね。そうした思いがけない形での共演も面白かったね。

「Lucifer's Out feat. AKLO」/東京弐拾伍時

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