横山健に直撃電話インタビュー
Ken Yokoyamaが明かす『Mステ』出演の真意 「古くなった俺でも、まだやれることはある」
Ken Yokoyamaが、本日7月10日の20時より放送される『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演する。同番組内で、Ken Yokoyama は7月8日にリリースしたEP『I Won’t Turn Off My Radio』より、表題曲を披露する予定で、地上波で生演奏をするのは今回が初めてだ。
Ken Yokoyamaは1991年にHi-STANDARDを結成、ギタリストとして活躍し、1999年にはレーベル「PIZZA OF DEATH RECORDS」を設立。メロディアスでありながら疾走感のあるパンク・サウンドと、オリジナリティ溢れるスタイル、インディーズならではのDIY精神で日本中の若者から熱狂的な支持を受け、90年代後半から00年代初頭に起こったメロコア・ムーブメントを牽引してきた。Hi-STANDARD活動休止後の2004年にはKen Yokoyamaとしてソロ活動を開始し、これまで5枚のオリジナルアルバムをリリース。最近ではPIZZA OF DEATH RECORDS主催の音楽フェス「SATANIC CARNIVAL」で存在感を示すなど、日本の音楽シーンにおける最重要人物のひとりとして活動を続けている。
一方、今作の表題曲「I Won't Turn Off My Radio」は、あらゆるメディアが発展を遂げる中で“時代遅れになってしまったラジオ”をテーマにした楽曲で、いまのKen Yokoyamaの心境を重ねたような歌詞にも注目が集まっている。これまでほとんど地上波には出演せず、ライブハウスを軸に活動するスタイルでも支持を集めてきたKen Yokoyamaがいま、『ミュージックステーション』にて同楽曲を披露する真意とはなにか。Ken Yokoyama本人に電話取材を行った。
「僕はもともとすごくラジオっ子で、中学時代にFMを聴いて音楽に目覚めたのですが、いまは色んなツールが発展していて、ラジオを熱心に聴いているリスナーはあまりいない状況ですよね。そんなラジオと、ミュージシャンとして古くなってきた自分を重ねて見てしまう部分があって。でも、ラジオにも自分にもまだ役割はあるはずで、そこにはノスタルジーもあるのだけど、いまだからこそ残せる骨太ななにかがあると信じて『I Won't Turn Off My Radio』を書きました。自分が古くなってきたことを認めるのは怖かったし、エネルギーも必要だったけれど、結果として、これまでのパンクロックにはない新しい表現ができたと思うし、自分でも一歩先に進めたと感じています」
パンクロックはユース・カルチャーで、40代でそれを表現するのは難しく、そもそもパンクロックにはノスタルジーを否定する部分もある。しかし、40代のパンクスとして正直に生きるには、それも認める必要があったと、Ken Yokoyamaはいう。そうしてできた「I Won't Turn Off My Radio」は、彼が少年時代に聴いてきたロックンロールや初期パンクのエッセンスを盛り込み、美メロを追うあまりコード進行や構成が複雑になりがちなメロコアにおいて、意外といえるほどストレートで王道的な楽曲に仕上がった。