田幸和歌子のジャニーズ斜め読み

KAT-TUN、4人としての新たな魅力 ギラギラ路線からどう変化したか?

 さらに、一定期間のグループとしての「禊」を終えた感じの現在は、グループ全員が揃う冠番組を2つ持ち、ほのぼの可愛い「素顔」を魅せてくれている。

 しっかり者で責任感が強く、魅せ方の上手な亀梨。「迷走」期を越え、スーパーサイヤ人のようなルックス+ピュアな性格で、オタクウケ抜群の上田。歌やアクロバットの力を着実に伸ばしてきた田口。そして、唯一無二の毒舌&ユーモアセンスを持つ中丸雄一。気づいたら、みんな個性はバラバラなのに、バランスの良いグループになっている。

 そんな新しいKAT-TUNの魅力が発揮されたのが、5月に行われた「KAT-TUN LIVE 2015 in TOKYO DOME」だった。

 正直、歌詞忘れがちょこちょこあるなど、粗っぽさは見られたが、ファンの希望に応えた「カップリング曲」豊富なセットリストはサービス満点。また、久しぶりの亀梨の「和」コーナーが、ソロではなく全員のパフォーマンスで披露されるなど、新たな魅力がたっぷり詰まった内容となっていた。

 昔のKAT-TUNのギラギラ感も少し残しつつ、「和」コーナーを中心に、非常にジャニジャニしい演出が豊富に見られたライブ。

 KAT-TUNは、スタートダッシュで爆発的ヒットを経験したことで、一気に駆け抜け、素通りしてしまった部分もあっただろう。それが、4人としての新たなスタートを切ってからは、かつて素通りした駅ひとつひとつに停まりながら、じっくり大切に経験を積み重ねている気がする。

ほのぼのだけじゃない、4人のKAT-TUNの新たな魅力。ギラギラの派手さはなくとも、確かな力が今、育ちつつある。

(文=田幸和歌子)

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