西廣智一が各メンバーの歌いっぷりを分析

Little Glee Monsterが圧巻のスタジオ“生”ライブ ソロ歌唱から見える6人の個性とは?

アサヒ「ラヴ・イズ・オーヴァー」(欧陽菲菲)

 

 現在15歳のアサヒは祖母の影響で、子供の頃から昭和歌謡が好きだったという。そんな彼女は今回、欧陽菲菲の大ヒット曲「ラヴ・イズ・オーヴァー」を艶っぽく歌唱。大人の恋を表現したこの曲を、中学生の女の子が情感たっぷりに歌う姿、表情からは年齢を超えて「1人の歌い手」としての魅力が強く感じられる。細かなフェイクは本家と比較してしまうと及第点かもしれないが、このまま歌い込んでいったときにどう成長するのか……と考えただけでゾクゾクしてしまう。

芹奈「たしかなこと」(小田和正)

 

 映画『ムーラン・ルージュ』の主題歌「Lady Marmalade」をリトグリがカバーする際、どうしても注目してしまうのが芹奈。彼女は今回、小田和正を「たしかなこと」を切々と歌い上げている。歌い出しこそ若干緊張しているような雰囲気があったものの、強弱を上手に使い分ける歌唱テクニックと気持ちのこもった歌は圧巻の一言。曲が進むにつれ彼女が作り上げた歌世界に引き込まれていく。これは6人全員に言えることだが、よく本番一発勝負でここまでの歌を披露できるものだなと。バンドとの一体感含め、改めて「プロの歌手とは?」といったことを考えさせられた。

麻珠「ひまわりの約束」(秦基博)

 

 メジャーデビュー曲「放課後ハイファイブ」冒頭で聴ける圧巻のフェイクが印象に残っている麻珠は、秦基博の最新ヒット曲「ひまわりの約束」を選曲。自分のキーに合わせたことによって、より彼女の魅力が伝わりやすいアレンジになったと思う。そして麻珠も原曲が持つ繊細さを残しつつ、伸びやかで包容力ある彼女らしい歌声を聴かせてくれる。感情の込め方、ちょっとした節回しやフェイクなど、聴きどころ満載の好カバーではないだろうか。

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