三宅正一の『ELECTRONIC HUMANITY』全曲解説

THE TURTLES JAPAN、1stアルバム全曲ダイジェスト音源公開&最速レビュー(後編)

 

 KAMEDA(音楽プロデューサー・亀田誠治)、YAMAMURA(flumpool山村隆太)、SAKAI(flumpool阪井一生)によって結成された、THE TURTLES JAPANが4月8日に1stアルバム『ELECTRONIC HUMANITY』をリリースして3日限りのZepp Tourを開催する。リアルサウンドではいち早くアルバム収録曲のダイジェストとともに各曲のレビューを掲載。書き手は前編「THE TURTLES JAPAN、1stアルバム全曲ダイジェスト音源公開&最速レビュー(前編)」と同じく三宅正一氏。(編集部)

「十二単」

 イントロから際立つギターとシンセのフレーズがサウンドを掌握するゴシックテイストのスリリングな楽曲。攻めのマインドを示すうえで、こういったハードに疾走する楽曲の存在は必要不可欠。その一方で、タイトルにも顕著なように、「風花」同様、和の要素をモチーフにしたリリックは、YAMAMURAの新たなラブソングの筆致を提示している。

「AB LOVE LOVE」

 陽性のデジタルポップサウンドをエネルギッシュに解放する1曲。続く7曲目「JAPANESE SPIRITS pile-up」もそうだが、ニューウェーブにも通じるシンセ使いやビート感が印象的なKAMEDAのアレンジからは、刺激的なロックとポップな新たな境界線を突き止めようとする意志がうかがえる。底抜けに楽しいサウンドだからこそ、〈そうさ「何年何月何日 僕らの出逢いにも意味がある」と言うには世間はまだ暗い〉というフレーズも切実に迫ってくる。

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