乃木坂46とHKT48が舞台公演に力を入れる理由とは? それぞれの演目が持つ意味を分析

 また、同氏はHKT48の明治座公演については「歌手としての公演」であることを分析した。

「HKT48に関しては、一部が演劇で二部ではコンサートを行うのですが、これは明治座やその他商業演劇の劇場で歌手の人が特別公演を実施する際の形に近いです。今月だと氷川きよしが同劇場で公演を行っていますね。舞台の題材も、歌手のコンサートで多く題材に挙げられる時代劇ものなので、その流れを踏襲しているといえます。HKT48が、この形を毎年続けるかどうかは現段階では不明ですが、劇場側にとっては集客における一つの活路なのではないでしょうか。明治座は、観光客が東京観光ツアーを組んだ際に訪れる場所の一つでもありますが、同公演が継続され定着すれば、劇場にとって新たな客層開拓の役割も果たし、プラスになるように思えます」

 最後に同氏は、両グループがこれから舞台公演を通じて見せていく展開について、ジャニーズを例に挙げてこう語った。

 「ジャニーズは新橋演舞場と関係性を築いており、ベテランから新人まで、舞台公演を行う場所として定期的に利用しています。滝沢秀明主演の『滝沢演舞城』シリーズは同劇場の人気作品として知られていますし、今井翼や内博貴などのジャニーズメンバー出演の作品もしばしば上演されます。最近だとジャニーズWESTが2014年に『デビュー記念 なにわともあれ、ほんまにありがとう! in TOKYO』を行いました。HKT48は、11月にはNGT48が創設されるため、末っ子グループという立ち位置を失ってしまいますが、ジャニーズのように明治座を拠点に関係性を築いていくとすれば、新たなグループの個性を打ち出すことができるのではないでしょうか。乃木坂46に関しても、ネルケプランニングとタッグを組んで数々の演劇を行うことで、より女優としての力は鍛えられ、各メンバーがグループを抜けた後に演技の道へ進むための経験値を積むことができるでしょう」

 舞台演劇を通じて、タレントや役者としての経験値を積もうとしている両グループ。将来へのステップアップを見据えた戦略は、今後どのように活きていくのだろうか。

(文=編集部)

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