Flower、メガブレイクの日も近い? 最新作『花時計』から人気拡大の理由を分析

 そんな彼女たちは、2ndアルバム『花時計』を本日3月4日に発売した。タイトル『花時計』とは、Flowerがデビューしてこれまで歩んできた道のりと、これから歩んでいくであろう未来を象徴しているとのことで、彼女たちのネクストステージを期待させる。実際、15万枚を超えるセールスを記録した1stアルバム『Flower』より約1年2ヶ月ぶりとなる本作では、前作がシングル曲を中心にしたベスト盤的な内容だったのに対し、多くの新たな試みがなされているのだ。

 特筆すべきは、収録曲の幅広さと音楽性の豊かさだろう。アルバム名を冠した「花時計〜Party’s on!」のきらびやかなハウスチューンから幕を開ける本作は、片思いの切ない感情を秋の情景とともにドラマチックに歌い上げたR&B/ポップス「秋風のアンサー (version2015)」、抑えの効いたシックなビートの上で鷲尾伶菜と市來杏香のボーカルが儚い三角関係の物語を紡ぐ「青いトライアングル」、そして男性目線で描かれた歌詞でFlowerの新境地を切り拓いた最新バラード「さよなら、アリス」へと続き、聴き手を彼女たち特有の、凛としながらも叙情性に溢れる世界観へと誘う。その「さよなら、アリス」は、アルバム前のリードシングルとして発売され、YouTubeに公開されたMVは約1ヶ月で260万再生を突破。Flower史上、過去最高のペースで再生されており、新たな代表曲との呼び声も高い。

Flower 『さよなら、アリス』 【蜷川実花 監督MV】 3/4発売 2ndアルバム『花時計』

 四季折々の情景を伝える「熱帯魚の涙」「Dolphin Beach」「Flower Garden」は、「秋風のアンサー」とともに“version2015”へとアップデート。武藤千春が海外留学のために卒業後、新体制となったFlowerとして新たに録り直したもので、よりポップに洗練された仕上がりとなっている。そこに、前出の「Dreamin' Together feat. Little Mix」など、J-POPの枠を越えた挑戦作も加えられ、同アルバムにさらなる奥行きを与えている。全編を通して秀逸な作品だが、個人的に気になったのは「あの日のさよなら」。同曲はヒップホップシーンで確かな評価を得るDJ DECKSTREAMが、鷲尾伶菜とのフィーチャリングで発表した作品で、音数を抑えたクールなトラックが彼女の繊細な歌声に新たな可能性を与える一曲だ。さらに彼女たちのブレイクポイントとなった楽曲「白雪姫」のオーケストラ・リミックスも収録しており、抜かりのない構成となっている。

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