tofubeatsはなぜこれほど愛される? 若手からベテランまで引きつける理由

 

の子、okadada、Pa's Lam Systemなど先輩・盟友たちとの交流

 共に関西に身を置いて活躍を続けている盟友・okadada。彼は今回“okadada feat.上鈴木兄弟(P.O.P)”としての出演やdancinthruthenightsとしてtofubeatsと共演するなど、多大なる活躍を見せたが、この日最大の見せ場は明け方に披露された「local distance」だろう。2011年に田中仮雄とD.K.X.Oが宇多田ヒカルをサンプリングして作った楽曲をokadadaとともにカバー・ラップしたものだ。tofubeatsが「そこそこ思い入れのある曲」と照れ臭そうに前置きしてプレイした同曲には<インターネットが縮めた距離を インターネットが開いてく>(tofubeats)や<こんな時代に Localだなんだってあるわけないねん>(okadada)など、“誰でもトラックが作れるインターネット時代”黎明期からシーンにコミットしていた2人だからこそ発信できる、エモーショナルなメッセージがそこにあった。

tofubeats live 20141213 / around AM6:00

 狒々の面を被った謎の3人組トラックメイカー・Pa's Lam Systemは、今年のマルチネレコーズ主催イベント『東京』前後でドロップした一大アンセム「I'm Coming」をプレイし、観客を大いに盛り上げた。同曲はAvec Avec、PARKGOLF、AZUpubschool、Miii、in the blue shirtなどのプロデューサー・トラックメイカーがリミックスを手掛けるなどし、同イベントの共通言語といっても過言ではないほど、界隈のリスナーやクリエイターに衝撃を与えた楽曲だ。その後も一切手を緩めることなくアッパーな楽曲を投下し続け、最後はtofubeatsの「CAND¥¥¥LAND feat.LIZ」をトラップ風にアレンジし、会場を驚かせた。

 この2組と毛色は違うが、神聖かまってちゃんはtofubeatsのレーベルメイトかつ先輩である。フロントマンの子はtofubeatsに対して「メロディー以外はパソコンで作ってる時点で影響を受けてます。僕がtofubeatsくんを知ったのも、初期のBandcampなんですよ。彼に会った後に100曲か200曲もらったりして、影響は大きい」と話すなど、強く意識をしている。(参考:神聖かまってちゃん・の子が音楽を作り続ける理由「すごく負けず嫌いで、飢餓感もかなりある」)さらに、tofubeatsも「僕もDTMを選択しなければ、の子さんのようになっていたかも」と明かしており、活動形態や出自は違えど、互いにリスペクトし合う仲であることが伺い知れる。(参考:tofubeatsがメジャーで挑戦しようとすること「パーソナルな部分を突き詰めた先に全体がある」)ライブではの子とmonoを迎えた「ロボットの夜」と「おしえて検索」を披露し、tofubeatsはフロントで暴走する2人をさらに勢いづかせるハードなトラックをプレイした。

西寺郷太や藤井隆、m.c.A・Tなど、ポップスフリークに学ぶ

 ライブ中盤でSmall Boysとしてステージに登場したのは、西寺郷太、堂島孝平、藤井隆の3人。男性アイドルに楽曲提供をするために制作し、ボツになったものを歌うために結成された同ユニットは、当初の西寺・堂島のほかに藤井隆も加入した。彼らは時折チャーミングなMCも挟みつつ、「兄弟湾」や「Selfish Girl feat. 藤井隆」など、J-POPとして良質な楽曲群を次々と披露した。

 そして、この日のシークレット・ゲストとして会場に現れたのは、心斎橋でのイベントでtofubeatsと共演し、相性が良かったというm.c.A・T。J-POPトラックメイカーの大先輩である彼は、DA PUMPの「if …」を自身のラップでセルフカバーし、キレのあるパフォーマンスで衰えを感じさせないかと思いきや、酔っぱらってtofubeatsと藤井隆に絡み、観客からは笑みがこぼれた。

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