FORWARD・ISHIYAが横浜のインディーレーベルを訪ねる

横浜ハードコア・PILE DRIVERが語るパンク観、そして所属レーベルmicroActionが目指す理想とは?

microActionの成り立ち

ーーPILE DRIVERがmicroActionで活動し始めたのはいつ頃から?

NEGI:僕がPILE DRIVERのみんなに会ったのは、活動停止していた時期だったんです。もちろん名前は知ってたし、アウトサイダースっていうバイクチームもやっているのも知っていました。あるとき、生馬さん(Jiaen、MONOLiTH)にたまたまイベントで見つけられて「お前面白そうだな。なんか一緒にやろうぜ」って感じで誘われたのが始まり(笑)。

ーー「見つけられて」って何だよ、ありそうだけど(笑)。

NEGI:それで漠然と生馬さんのお店に行ったら、KINTA君と生馬さんとAI君でお店をやっていて、バイトさせてください、みたいな感じで一緒に色々と経験させてもらいました。

KINTA:お店(koyaanisquatsi,Y.H.M)やっていた頃に NEGIちゃんも手伝ってくれたんですけど、この面子でお店だけやるのも物足りないなって思っていたんです。それで、ヒーリング系の音楽に興味があって、インディアンフルート奏者の真砂秀朗さんという人がいたので、そのマネージメントの仕事を個人的にやり出したんですね。その時にNEGIちゃんにサポートしてもらって、そこから一緒にレーベル事業を始めた感じです。

NEGI:そのインディアンフルート奏者の真砂秀朗さんも参加していて、NPOとNGOの団体が集まっている「地球市民村」っていうプロジェクトが愛知万博の中にあったんですよ。そこで真砂さんのプロデュースで「満月コンサート」っていうのをやるから、ブッキングとアーティストケアをやらせてもらったりしました。OKIさん(DUB AINU BANDを率いるアイヌの伝統楽器トンコリ奏者)とか、ディジュリドゥのGOROさんや世界中の民俗楽器を使っている日本人のアーティストをブッキングしたんです。

KINTA:「いのちの祭り」(1988年より12年に1回、辰年に開催されてきた伝説的な野外フェス)の企画者というか、そこの流れですね。真砂さんが持っていたレーベルのAWA MUSEのマネージメントを、AWA MUSEオフィスっていう形で俺が個人でやっていたんですが、そこにNEGIちゃんが入ってきたところで独立して、万博側と取引するのに個人じゃ出来ないから法人格にした、という感じです。NEGIちゃんもいろいろなライブに顔を出していて、すごくたくさんの繋がりを持っているから、そこをもっと掘り下げてやって行こうと思ったんですね。

ーーmicroActionはレーベル事業だけではなく、いろんなことをやっているもんね。

KINTA:ライブの企画とか、「BLUE MOON」(葉山一色海岸の海の家)もやっている。

NEGI:BLUE MOONも今年で18年もやっていますからね。僕は最初はただ遊びに行っているだけだったんですけど。

KINTA:ちょうどAWA MUSEの仕事をしていたので、真砂さんとKENSAKUと、レーベル作品のライブを海でやりましょうっていうところから始まりました。それで、しおのみちライブっていうのを企画してやっていたんですが、その頃からNEGIちゃんと一緒にやるようになり、ここ何年かは、NEGIちゃんがメインで企画しています。

NEGI:真砂さん達と、和太鼓のKODOってグループの「アース・セレブレーション」に行って、KINTA君に初めてYOSHIKI(TURTLE ISLAND/microAction所属バンド)を会わせたんです。

KINTA:それでCDを貰ったりとかして、だんだんそこからYOSHIKIともやって行こうって感じになった。

NEGI:YOSHIKIと僕は、共通の友達が沖縄とか東京とかいろんなところにいっぱいいて、「俺はこんなことやりたい」とか理想みたいなのを話していると、「お前はYOSHIKIって奴と何か一緒にやった方がいいよ」ってよく言われていたんです。YOSHIKIもずっと同じことを言われていていたみたいで、でも誰かがセッティングしてくれるワケでもなく、「NEGIちゃんって奴がこのイベント行ってるから探してみ」とか、「あの辺にいるっぽいよ」って(笑)。それで2001年ぐらいに沖縄に行ったら共通の友達の家でバッタリ会って「じゃあ、遊んでみますか」みたいな。お互い若かったから、最初はぎこちなかったですよ(笑)。でもすぐに意気投合してウマが合いました。TURTLE ISLANDはCDを自主制作で出していて、手売りで三千枚とか売っていたと思いますが、卸先を聞いたら「四件ぐらいかな?」って、たしか(笑)。それでマネージメントとかもやるし、一緒になにかやろうってことになって、YOSHIKIとmicroActionっていうレーベル名を決めました。

ーーmicroActionは所属バンドも特徴的だよね。TURTLE ISLANDとPILE DRIVERとROTARY BEGINNERSって。

NEGI:そうですね。あとINNNER TERRESTRIALSも出しているんですよ。TURTLE ISLANDとのカップリングで。それからMARJINALと、ALKDOっていうYOSHIKIのアコースティックと、パンク歌舞伎のDVDも出しています。

ALKDO "TURTLE ISLAND Acoustic + Trad" CM

ーー所属アーティストが既存のレーベルの枠を超えている感じで、その辺はものすごく面白いよね。

NEGI:ありがとうございます。今まであるレーベルだと、沢山のアーティストをリリースするイメージがありますが、それは自分の体力的に厳しいっていうのもあるし、時代的にもCDは売れない。バンドがレーベルに所属しないで自分達でやっていた方が良いパターンもある。だから、一緒に話せる人達とだけやろうってことで、厳選してやっています。リリースに関しては、気持ちを込められるバンドだけで丁寧にやっている形ですね。

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