1stアルバム『笑顔のレシピ』リリースインタビュー

ニコ生で人気のたま&やっぴ~、初アルバムを語る「昔の曲のほうが『歌いてえ!』って思う」

 

「今までの過程っていうのが、全部このアルバムに詰まっている」(たま)

――今回のアルバムに入っているカバー曲は、どうやって選んでいったのでしょうか?

やっぴ~:選んだというか、基本的には、今までニコ動で歌ってきた曲ばっかりですね。

たま:うん。ほとんど生放送とかで歌っている曲なんですよね。

やっぴ~:今回、新しくトライしてみたのは、「夏の終わりのハーモニー」くらいですかね。

――それにしても、幅広い年代の曲が入っていますよね?

たま:やっぱり、そう見えますか? まあ、23歳と24歳が作るアルバムっぽくはないですよね(笑)。ただ、年代とかに関わらず、全部ビビッとくる曲と言うか……俺の場合、ちょっと昔の曲のほうが、何かグッとくるんですよね。『歌いてえ!』って思うというか。

――そういう曲を、どうやって知るのでしょう?

たま:俺はネットですね。「それが大事」(大事マンブラザーズ)とかもネットで見て、「あ、これ、放送で歌おうかな」って思って覚えたので。

やっぴ~:僕はテレビでしたね。歌謡曲ランキングとかで、めっちゃ昔の映像と一緒に「それが大事」が流れていて。あと、僕は母親がCHAGE and ASKAさんとかスターダストレビューさんとか、そのへんの音楽を好きだったっていうのもあって、昔の曲も結構当たり前のように聴いていたんですよね。

たま:俺の場合は、放送のことを考えて見つけますね。「これ、放送で歌ったら元気出そうや」とか。「今夜はブギーバック」を歌ったら、楽しいだろうなとか。

――じゃあ変な話、一曲一曲のコンテクストというか、時代背景みたいなものは一切……。

やっぴ~:知らないです。

たま:知らないですね。ただ単に聴いて、これは元気出そうとか、そういう感じなので。

――では、今回選んだ曲のテーマみたいなものって、何かあるのでしょうか?

やっぴ~:テーマは、“聴いていて笑顔になる”ですね。

たま:このタイトルの通りですよね。『笑顔のレシピ』っていう。

やっぴ~:このタイトルはふたりで考えたんですけど、この曲たちが何かスパイス的な感じになって、みんなが最終的に笑顔になればいいなっていう。バラードも結構多いんですけど、これを通して聴いたときに、『ああ、良かった。元気出たわ』って思ってもらえたらなって。

――聴いている人を元気づけたいっていうのは、ひとつ一貫したテーマとしてあるのですね。

たま:そうですね。俺の放送はそればっかりだし、聴いてくれる人も多分、それを求めている人たちばっかりなんですよね。毎回、早く放送してくださいって言われるから、新しい曲を早く覚えないとみたいな焦りを感じたりとかして。

――単に自分が歌いたいだけの曲を歌うこともあるのですか?

たま:たまにはありますけどね。「俺が好きな曲、今から歌うわ」って言って。でも、尾崎さん一択なんですけど。尾崎さんの曲で、みんなが知らないような濃い曲を歌ってみたりとかして。

――たま君は、本当に尾崎豊さんが好きなんですね。

たま:もう尾崎さんの歌じゃないと感動しないんですよね。

――えっ、そんなに?

たま:何だろうな……俺の場合、めちゃくちゃ落ち込んだり悩んでいるときは、もうアンビエントの曲とかしか流さないんですよ。ひとりでいるときは、寝る前のBGMみたいなのしか聴かない男なので。それと唯一、尾崎さんを聴くぐらいなんですよね。もちろん、友だちといるときとかは、明るい曲を流すんですけど、ひとりのときはもう、アンビエントか尾崎さんじゃないと癒されないんです。

――何か面白いですね。

やっぴ~:そう、面白いんですよ、たまちゃんは(笑)。結構変わっていると思います。

たま:どんな歌を聴いても、やっぱり尾崎さんが、いちばんグッと来るんですよね。

やっぴ~:歌声的にも結構影響受けとるもんね。

たま:うん、そうだね。

――それこそ、須藤さんは何か言っていましたか?

やっぴ~:ここまで尾崎さんっぽさとオリジナリティを掛け合わせている歌声はなかなかないって、レコーディングのときに言っていましたね。

たま:言ってたっけ?

やっぴ~:たまちゃんがブースで録ってるときに、ボソッと言ってた。「そこが面白いんだよ。たまは変わってんだよ」って(笑)。

たま:そんなこと言ってたんだ。

――で、そんなカバー曲の最後に、「魔法のレシピ」と「ヤスコ」という、それぞれのオリジナル曲が2曲入っていて。

やっぴ~:これは今回のアルバム用に、それぞれ新しく書き下ろした楽曲ですね。

たま:しかも、それを須藤さんがプロデュースしてくれるっていうことだったので――この「ヤスコ」っていうのは、俺のばあちゃんの名前なんですけど、これはきっと記念すべき大事なオリジナル曲になるだろうから、その名前を刻んだろって思って。

――たま君が書いた「ヤスコ」という曲は、とにかく歌の感情の入り方がすごいですよね。

たま:この曲は、もう感情しか入ってないような曲ですよね。感情が暴れまくっとるという。そう、これ、10分しか録ってないんですよ。須藤さんに、『一回しか録らせないからね』って言われて。だから、もうやるしかないわと思って歌い切った感じですね。

――その一方、やっぴ~君の書いた「魔法のレシピ」は、洗練されたポップソングといった感じになっていて。

やっぴ~:僕のオリジナルは、結構みんなが覚えやすい感じの曲が多いんですよね。

たま:しかも、そういうのが得意というか、ライブで盛り上がりやすい曲が多いんですよ。手拍子とかもしやすいっていう。俺の曲は、全然手拍子とかできないので。

――このオリジナル2曲には、ふたりの違いみたいなものが、すごく出ているかもしれないですね。

やっぴ~:出ていますね……そもそも、タイトルからして全然違うっていう(笑)。

たま:この曲の動画を投稿したら、『昭和かっ!』ってコメントで言われましたからね(笑)。

――(笑)。実際12曲全部が揃って、どんな感想を持ちましたか。

たま:まず、やっと形になったなっていうのがありますね。他にもホント、いっぱい入れたかった曲があるんですけど、ひとまずは収束に至って良かったなっていう。

やっぴ~:うん。だから、今は早く聴いてほしいなっていう気持ちでいっぱいですよね。

――では、このアルバムをどんなふうにリスナーに受け止めてもらいたいですか?

やっぴ~:若い世代の人には、あまり馴染みのない曲も結構入っていると思うんですけど、僕らふたりにとっては、どれも馴染みのある曲というか、それを聴きながら育ってきた曲ばかりなんですよね。だから、このアルバムを通じて、そういう曲をもっといろんな人に知ってもらえたらいいなって思っています。

たま:今までの過程っていうのが、全部このアルバムに詰まっていると思うので、まずはそれを味わってほしいですね。あと、ネットでずっと見てきてくれた人たちに、やっとCDという形でちゃんと届けることができるのが、すごくうれしいです。これが俺らの第一歩というか、これからに期待してくださいっていう感じが、すごく詰まっていると思うので。

やっぴ~:あと、これをきっかけに、またいろんなところでライブをすると思うので、そこでぜひ、僕らの生の歌を聴いてほしいですね。
(取材・文=麦倉正樹/撮影=竹内洋平)

■リリース情報
『笑顔のレシピ』
発売:2014年8月13日
価格:¥2,300(税抜)

■アルバム特設サイト
http://www.subcul-rise.jp/tama_yappy/

■アルバムクロスフェード動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24125683

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