ボートレース×ダンスミュージックで何が起きる? DAISHI DANCEが手がける「BOAT Me!!」MV公開へ

 

 これだけでは、ピンとこない方も多いと思うので、実際に5月に行われた福岡での「BOAT RACE ALL STARS」のオープニングセレモニーを例に挙げてみると、福岡を拠点に活動しているDJ PROVIDENCE(「burn WORLD DJ CONTEST 2013」のファイナリスト)とCYBERJAPAN DANCERSが登場。会場となったボートレース福岡・イベントスペースが突然ダンスフロアに豹変し、刺激的な音楽とダンスが展開されるなか、出場予定選手が入場するという、クールな演出となっていた。

 さらに同イベントの先着100名には福岡のクラブイベントが入場無料となるリストバンドが配られるなど、「ボートレース×音楽」の図式は一方通行ではなく、ボートレースファンは音楽へ。音楽ファンはボートレースへ――という、相互補完の関係性となっている。

 一見、相容れない分野のように思われるが、これは非常に面白い試みだと改めて感じる。今年のF1のシンガポールグランプリでは、主役はもちろんレースだが、ジェニファー・ロペス、ペット・ショップ・ボーイズ、ジョン・レジェンドといったとんでもない豪華アーティストがライブを披露することになっている。レースに興奮し、エンターテインメントも満喫する。つまりショウビジネスの世界において、「音楽×α」というのは過去にも当たり前のように行われてきた事実があり(日本でも数多くの試みがあれど、なかなか定着していない)、この「ROKU音」はそのひとつの新しい挑戦だといえる。

 

 公開されたばかりのDAISHI DANCEとCYBERJAPAN DANCERSも出演している「BOAT Me!!」のミュージックビデオが、その“挑戦”を端的に表現しているので、ぜひ視聴してもらいたい。DJブースで多様な機材を俊敏に操るDAISHI DANCE、そしてボートレースのマシンが陰影とつけて描写されるシーンは近未来を思わせ、等しい世界観で描写される。音楽ファンはボートレースに、ボートレースファンはダンスミュージックに興味を抱く仕掛けとなっており、CYBERJAPAN DANCERSがキュートでセクシーなエッセンスは音楽とボートレースに華やかさを加えている。

 今年始まったばかりのこのプロジェクトは、今後も関東、東海、関西エリアでも展開していく。。ボートレースと音楽が、相乗効果で大きなうねりになることを期待しつつ、今後の動向に注目していきたい。

(文=中野パンネロ)

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■レース情報
2014年8月26~31日 BOATRACE MEMORIAL/ 若松(福岡県)
2014年10月14~19日 BOATRACE DERBY/ 常滑(愛知県)
2014年12月18~23日 THE GRANDPRIX/ 平和島(東京都)
2014年12月26~31日 QUEENS CLIMAX/ 住之江(大阪府)
2015年3月17~22日 BOATRACE CLASSIC/ 尼崎(兵庫県)

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