摩天楼オペラが語る、シーンへの向き合い方「僕らは僕らの音楽で世の中に訴えていければいい」

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結成から8年を迎える摩天楼オペラ。

 摩天楼オペラが、7月23日に6thシングル『隣に座る太陽』をリリースする。疾走感のあるロックサウンドにメッセージ性の強い歌詞が乗った本作は、摩天楼オペラらしい仕上がりでありながら、新たな一面も感じさせる作品となっている。結成から8年目を迎える摩天楼オペラは、同作をいかにして作り上げたのか。そして、現在の音楽シーンに対して彼らはどのように向き合っているのか。10月18日には日比谷野外音楽堂でのワンマンライブも決定している彼らに、シングルに込めた思いから現在の活動スタンスまで、じっくりと話を訊いた。

「今までの摩天楼オペラらしさもありながら、新しい試みもしている」(苑)

――7月23日にリリースされる『隣に座る太陽』ですが、ちょっと変わったタイトルですよね。どういう意味を込めているのでしょうか?

苑:「希望」って、普通に生活していると、なかなかそれに気付かないと思うんですよ。でも、それはちゃんと自分の周りを見渡してみたら、すぐ隣にあるものなんだよ、という意味を込めてこのタイトルにしました。まずシングルで出すということを決めてから作った曲なので、“疾走感のあるロック”というシングルっぽさを念頭に置いて作っていますね。今までの摩天楼オペラらしさもありながら、そこにジャジーなコード進行みたいな、これまでやってこなかった試みも入れています。

燿:バンドが今年で8年目なんですけど、そこそこ長く続けてるとスキルも上がってくるので、芯はブレずに新しいものをどんどん提示したりとか、そういったところも作品に反映していくべきだと思うんですよね。今、自分たちができることを全部詰め込んで、その中から一番良いものをどんどん更新していかないといけない。いってみれば、ラーメン屋に近いと思うんですよ(笑)。

――ラーメン屋?

燿:僕、ラーメンが好きなんですけど、ラーメンってすごいシンプルじゃないですか。シンプルだけど、美味しい店は絶対、味のマイナーチェンジを繰り返してるはずなんです。ラーメン屋ってリピーターが多いですし、同じ味だと絶対飽きると思うんですね。だから「昔ながらの変わらない味」とか言いつつも、少しずつ改良されてるはずだろうと。それと一緒で。

――なるほど(笑)。表題曲もカップリングの「メインキャストは考える」の歌詞も深いというか、“生きること”についての歌詞だと思いました。作詞を担当されている苑さんは普段からこういうことを考えていらっしゃるのですか?

苑:普段からこういうことばっかり考えているわけではないです(笑)。でも、やっぱり歌詞を書く時は自分と向き合っているので、そこで「昔こう思ったな」みたいな感じで、内面で考えてることが出てくるというか。

――ほかのメンバーは今回のシングル曲に対し、どんな風にアプローチしていますか。

彩雨:曲を作った時期が結構前で2012年、メンバーに聴かせたのが2013年の頭かな。一工夫した曲にしようと思って、今回は同じ一つの音の塊がいろんなところに散りばめられているようなものを作りたくて、シンセのアレンジとボーカルのメロディーは結構シンクロさせていたりします。

悠:“初期衝動”というテーマがあったので、シンプルなんだけど、いつもはこういう系統の曲は8分音符で叩くんですけど、フィルをいつもの二倍の早さで叩いたりして初期衝動を詰め込みました。昔からウチの曲を聞いてくれてる人は「ちょっと今までありそうでなかった曲だな」って感じてくれると思います。

燿:今回のレコーディングでベース本体が変わりまして、新しいベースになったんですよ。音も変わっているので、今までのベースだとこういうフレーズ入れても聴こえないだろうなって部分も綺麗に聴こえてくる良いベースになったので、そういうところを考えて作ったところはあります。

Anzi:「メインキャストは考える」の間奏をキーボードソロにするというのは僕のこだわりですね。元々ギターソロを想定して彩雨は曲を作ってたみたいなんですけど、鍵盤にしてくれと提案したんです。去年から9月のアルバムに向けて曲のストックをして、色んなプリプロを聴いている段階で、「俺いっぱいギターソロ弾いてるな」と思ったんですよね(笑)。ウチのバンドはツインギターではなく、キーボードがいるので、同じウワモノ楽器として、相方のキーボードにもリードとってもらう曲が何曲もあっていいんじゃないかなと前から思っていて。たまたま今回色んな曲のストックの中で、バランスを考えた時に、この曲は鍵盤の方が世界観的にあっているんじゃないかなと思ったんです。

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