宇野維正が5月18日Zepp Tokyo公演を分析

逆輸入版きゃりーが見せた「100%の本気」 音圧もスピードもアップした”日本公演”レポート

 

 中盤のMCで、今回のワールドツアーでの各都市での出来事を日本のファンに報告をするきゃりー。移動と時差と過密スケジュール(ライブに訪れた各国で、プロモーション取材も受けまくっているのだ)で「気が狂いそうになった」とつい本音を漏らすきゃりー。また、ライブ中に発表された今秋の日本全国アリーナツアーについては、現在そのコンセプトを練っている最中としながらも、「死をテーマにしようと考えてます」と意味深な発言も。

 しかし、そもそもきゃりーがアートディレクターの増田セバスチャンらスタッフと共にこれまで作り上げてきた世界の独創的なイメージ&ビジュアルは、常に「狂気」や「死」と隣り合わせのものだった。今回のステージで披露された新曲「きらきらキラー」も、「きらきら」してるものを「殺す」というテーマが込められた、近作シングル曲にはなかった攻撃的な歌詞とサウンドとダンスが印象的だった。7月9日にはサードアルバム『ピカピカふぁんたじん』のリリースも決定。ワールドツアーで世界中を駆け回った2014年上半期に続いて、2014年下半期には再び日本中できゃりー旋風が巻き起こることだろう。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌などの編集を経て独立。現在、「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「BRUTUS」「ワールドサッカーダイジェスト」「ナタリー」など、各種メディアで執筆中。Twitter

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