GLAYがインディー作を再リリース 活動20年で「変わったもの」と「変わらなかったもの」
「インディーからメジャーのフィールドに上がり、プロデューサーの手で楽曲が洗練化されたことにより、GLAYのサウンドは広く受け入れられるようになったように思います。『真夏の扉』に関しては、プロデューサーの土屋昌巳さんがより楽曲の魅力を引き出し、メジャー感を与えたといえるでしょう。また、GLAYは佐久間正英さんがプロデュースした楽曲で多くの人気を集めました。それが顕著にわかるのは4枚目のシングル『Freeze My Love』です。この曲はシンセサイザーを多用し、ギターの印象を少なくして、言ってみれば”バンド感が薄い無機質な曲”に仕上げてあるのですが、ここで、楽曲の世界観を優先するという“新しいGLAYの方向性”がハッキリと見えたのかなと。当時のシーンにおいて鍵盤奏者のメンバーがいないのに、ここまでシンセを入れたロックバンドなんてなかったですから。バンドの作詞作曲のほとんどを手掛けるTAKUROさんは、ギタリストである以前に作曲家気質の強い方なので、この佐久間さんの仕事ぶりを見て、彼のアレンジや作曲術を取り込んだところも成功の要因としてあると思います。
また、当時のGLAYはシーンの中で、LUNA SEAやL'Arc-en-Cielと同列に語られていました。改めてこの3バンドを並べてみると、GLAYはその中で“一番ロックテイストが少ないバンド”であるといえます。メンバーもロックバンドにありがちな不良性が少なく、スマートな立ち居振る舞いやイメージですし、他の2バンドに比べて”歌モノ”の要素が強い。その要素はロックバンド好きだけではなく、一般層のファンも獲得することに繋がりました。彼らがライブで約20万人を動員したり、ベストアルバムを487万枚売ったりして“国民的バンド”の地位を獲得できたのは、あえてロックテイストを抑えたから、という面もありそうです」
しかしながら、GLAYの本質的な魅力は、インディーズ時代からずっと変化していないともいう。
「TERUさんは氷室京介さんに影響を受けた“絵に描いたようなロック・ボーカリスト”ですし、TAKUROさんはデビュー当時から尾崎豊が好きだと公言しています。そこにHISASHIさんやJIROさんなど、プレーヤー然とした方もいて、バランスのとれたグループだからこそ、様々な人に変わらず愛されているんだと思います。
また、TAKUROさんは以前に『3年同じ曲調を続ければマンネリと言われるだろうけど、16年続いたら文化じゃねぇの?』という発言をしていて。確かにGLAYって、歌が基本となっているので、音楽面において本質的な変化はしていないんです。歌モノを軸にというのも『灰とダイヤモンド』の頃から変わっていない。だからこそ、昔の曲もずっと愛され続けているのではないでしょうか」
7月には、20周年で50枚目のシングルとして、『GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary』のテーマソングである「BLEEZE」をリリースする彼ら。同作は亀田誠治がプロデュースし、TERUが作詞・作曲を務めた初のシングルとなる。新しいプロセスで生まれた楽曲は、GLAYの「変わらない魅力」にどんな色を加えるのだろうか。
(文=中村拓海)
■リリース情報
『灰とダイヤモンド Anthology』
発売:2014年5月25日
価格:¥6,481+税
<収録内容>
・Disc 1 「灰とダイヤモンド Remix & Remastering 2014」
1.真夏の扉
2.彼女の"Modern…"
3.KISSIN' NOISE
4.ひどくありふれたホワイトノイズをくれ
5.RAIN
6.LADY CLOSE
7.TWO BELL SILENCE
8.千ノナイフガ胸ヲ刺ス
9.BURST
10.if~灰とダイヤモンド~
・BONUS TRUCK
1.彼女の“Modern…”(Rerecording 2011)
2.TWO BELL SILENCE(Rerecording 2009)
3.BURST(Rerecording2009)
4.灰とダイヤモンドメドレー
“真夏の扉/LADY CLOSE/ひどくありふれたホワイトノイズをくれ/TWO BELL SILENCE”
(GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Ver.)
・Disc 2 「灰とダイヤモンド Anthology Demo & Bootleg & Radio 1994」
1.bayfm“Bay Factory Special YOSHIKI All Works” 1994.6.22
2.KISSIN' NOISE
3. TEARS SONG
4. AIR-G “FM ROCK KIDS”1994.10.1
5. GONE WITH THE WIND
6. 魔女狩り
7. FMイルカ“ランチBOXリクエスト”1994.5.28
8. ANSWER
9.TWO BELL SILENCE
10.千ノナイフガ胸ヲ刺ス
11.HBCラジオ“ぐるっと道南お昼です”1994.5.28
12. JULIA
・Disc 3 DVD「Document of 灰とダイヤモンドDays」
全64Pブックレット封入、豪華BOX仕様
『GLAY 20th Anniversary LIVE BOX VOL.1 DVD & Blu-ray」』
発売:6月18日
価格:DVD3枚組 13,800円+税
Blu-ray3枚組 13,800円+税
<収録内容>
1.GLAY EXPO2001 "GLOBAL COMMUNICATION"
@北九州市マリナクロス新門司特設ステージ(2001年8月11日)
2.GLAY VERB TOUR FINAL “COME TOGETHER 2008-2009”
@幕張メッセ国際展示場9.10.11 (2008年12月31日)
3.GLAY MOBILE Presents 5th anniversary special
GLAY CHRISTMAS SHOW 2013 winter ~ACOUSTIC MILLION DOLLAR NIGHT~
@渋谷公会堂(2013年12月17日)