Kis-My-Ft2・玉森裕太はなぜブレイク? “過剰さ”のないアイドルの魅力とは

 3月26日に初のシングルコレクション・アルバム『HIT! HIT! HIT!』をリリースするKis-My-Ft2。デビュー曲『Everybody Go』から、9thシングル『SNOW DOMEの約束/Luv Sick』まで、ヒットシングルをコンプリートした今作は、およそ3年間でスターダムを駆け上がった彼らの軌跡を追うのにピッタリだ。付録DVDには、PVがすべて収録されているとのことで、彼らの表情の変化も楽しめるにちがいない。

 約7年という長い下積み時代を経てのデビューだっただけに、彼らの実力は3年前からお墨付きだった。なかでも急成長を遂げたのが玉森裕太。もともと自ら目立っていくタイプではなかった玉森だが、ドラマ『美男ですね』から頭角を表し、今ではキスマイの顔といっても過言ではないほどに存在感を示している。主演ドラマ『信長のシェフ』も7月からパート2が放送されることが決定しており、まさに波にノッている注目株であることが伺えよう。

 玉森の魅力は、ひとことで言うと飾らないところにある。もちろん、コンサートや歌うシーンなどではファンを魅了する演出を披露する。だが、そこに過剰さはない。誤解を恐れずに言えば、決して型にはまったタイプのアイドルではないのだ。求められていることに一生懸命応えていくが、自分を必要以上によく見せようとしない、そんなスタイルだ。だからこそ、ファンは小さな成長をひとつずつ楽しむことが出来るし、毎回「こんなことに挑戦してくれた!」という発見に満たされる。

 もともと玉森は非常にシャイで素直な性格なのだと思う。だからこそ、緊張しているとき、気の許せるメンバーを前にしたとき……感情がそのまま表情に出てしまいがち。しかし、表情に出てしまうからこそ、心からの笑顔に誰もがキュンとしてしまうし、切ない表情や歌声に気持ちを投影せずにはいられない。

 これまで、アイドルといえば“パーフェクトな王子”という像を描くものだったが、彼に関して言えば等身大の1人の男性という印象が強い。“自分が見守っていかなくては”という気持ちにさせられるのは、彼の最大の武器といえるだろう。
(文=ジャニ子)

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