嵐・相葉雅紀はなぜ人を惹きつける? 技術論を超えた「すごさ」を分析

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天然キャラで知られる相葉雅紀。

 恒例の嵐メンバーシリーズ。今回は相葉雅紀にフォーカスを当てる。笑顔がチャーミング、天然キャラ、イジられ役、嵐愛に満ち満ちている等々、ファンからは総じて「可愛い男の子」として語られることの多い彼。リアルサウンドでもインタビューを行った『嵐ヲタ絶好調超!!!!』の著者、青井 サンマ氏によれば「天才と馬鹿。天真らんまんと根暗。大胆不敵と気弱。イケメンと地味顔。元気と病弱。そして、平凡さと大物感。対立しそうな要素が両立している。全部持ってる。とても普通っぽいのに、なんだかすごい」存在、それが相葉雅紀だという。では一体なにが彼を「なんだかすごい」と思わせるのだろうか。これまでの活動を紐解きつつ彼の持つ「すごさ」を考えていこう。

 まず分かりやすく「すごい」のは彼の身体能力の高さだ。元々ジャニーズに入ったきっかけが「SMAPとバスケができると思ったから」という彼。その天然っぷりはさておき、幼少期から運動神経バツグンだった彼の能力は嵐の楽曲におけるダンスでも見て取れる。メンバーの大野いわく「振り付けを覚えるのが遅く(覚えてからも)すぐ忘れてしまう」そうだが、それであのキレのあるパフォーマンスをライブで行えるのは流石なところだ。「世界体操選手権」のナビゲーターを何度も務めてきたことからも彼のスポーツへの造詣の深さをうかがえる。

 テレビでの活躍で言うと、10年近く出演を続け「飼育係」から司会に昇格した「天才!志村どうぶつ園」や自身がMCを務める「相葉マナブ」からも彼のマルチっぷりが分かる。「ただ格好いいから」「華になるから」という理由ではなく番組全体を相葉色に染めてしまうあたり、彼の存在感が伝わってくる。もちろんドラマや映画における役者っぷりも同様だ(ちなみに今秋には主演を務める映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』が公開される)。

 では彼の歌はどうか。彼をいわゆる「音楽批評」的に語るのは非常に難しい。歌唱力であれば大野智のアイドル離れした実力を分析することができるし、自作ラップをアイドル文化に導入したという文脈なら櫻井翔を語ることができる。しかし相葉にはそういった音楽的な「分かりやすさ」がない。彼の歌唱はいわゆる巧い部類のものではない。では相葉の歌に魅力がないかといえば、決してそういうことはない。嵐の歌、特にソロ曲を聴いていて筆者が一番グッとくるのは相葉雅紀の曲なのである。

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