二宮和也主演『ブラックペアン』真相に向けて流れに変化 渡海は“オペ室の悪魔らしさ”を封印

『ブラックペアン』真相に向けて変化

 スナイプ、ダーウィン、そして国産ダーウィンこと“カエサル”。医療に革新をもたらす最新技術が次々と帝華大病院の西崎(市川猿之助)を経由して東城大病院に導入され、西崎が送り込んだ高階(小泉孝太郎)がそれらの治験手術を執り行うも何らかのミスが生じ、それを渡海(二宮和也)が救う。すっかりこの流れが定着化しているTBS系列日曜劇場『ブラックペアン』。

 5月27日に放送された第6話では、渡海の母・春江(倍賞美津子)の緊急手術が行われるが、術後の検査で腫瘍の見落としが発覚する。渡海は医療過誤として病院側に和解金を要求し、佐伯(内野聖陽)が再手術を行うことも拒否。そんな中で、“カエサル”の治験患者を探していた高階は、春江をその第1号にすべく説得に当たるのだ。

 前述したような定型化した展開が毎回続くことに辟易とした視聴者の声がしばしば聞こえるようになってきたが、前半の頃と比較するとドラマ全体の空気感は微妙に変化してきたようにも見受けられる。というのも「難易度の高い手術」と「“インパクトファクター”をめぐる教授同士の争い」という“白い巨塔”的な王道の大学病院劇の本作の大きな鍵となる“ブラックペアン”の真相に向けて物語が傾き始めているからだ。それはつまり、渡海征司郎という謎多き人物の人間性が徐々に垣間見えてきたということでもある。

 これまでも母・春江と電話で話しているときにだけ人間らしい表情を見せていた渡海。先週の回で“努力家”という新たな一面を見せた彼は、今回のエピソードでは“オペ室の悪魔”らしい邪悪さを封印。多少口が悪くても、その背景には母親を救うという暗黙の意思を感じさせるだけでなく、病院への(というよりも、佐伯への)不信感に板挟みにされるという、至って普通の青年として映し出されていた。

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