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『ブラック・ファイル 野心の代償』シンタロウ・シモサワ監督インタビュー

『ブラック・ファイル』監督が語る、アル・パチーノ&アンソニー・ホプキンスの素晴らしさ

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ブラック・ファイル 野心の代償
マリン・アッカーマン
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 ジョシュ・デュアメル、アンソニー・ホプキンス、アル・パチーノ、イ・ビョンホンら豪華キャストが共演する映画『ブラック・ファイル 野心の代償』が1月7日に公開される。本作は、野心家の弁護士ベン・ケイヒルが、巨大製薬会社の不正行為を暴くため、ブロンド美女からある機密ファイルを受け取ったことをきっかけに、人間たちのあらゆる欲望が絡んだ予想外の展開に巻き込まれていく模様を描いたサスペンス映画だ。リアルサウンド映画部では、本作で初監督を務めた日系人監督シンタロウ・シモサワにインタビュー。清水崇のハリウッドデビュー作『THE JUON/呪怨』でプロデューサーを務め、『クリミナル・マインド 特命捜査班レッドセル』や『ザ・フォロイング』などのTVドラマで脚本を手がけてきた彼に、映画的なバックグラウンドからアル・パチーノやアンソニー・ホプキンスら“レジェンド”たちとの撮影時のエピソードまで、じっくりと話を訊いた。

「DJの経験が映画作りに役立っている」

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シンタロウ・シモサワ監督

ーーあなたはもともと大学で政治学を学ばれていたそうですね。その後、LAに渡って、昼は脚本を書き、夜はナイトクラブでDJという日々を送っていたとのことですが、映画学校に通うなど、専門的な勉強はしたのですか?

シンタロウ・シモサワ(以下、シモサワ):それがまったくしていないんだ。僕はLAに移住した当時、なるべく映画のパーティなどに参加するようにしていて、そこで『マグノリア』や『アイ・アム・サム』などの作品で製作総指揮を務めてきたマイケル・デ・ルカという名物プロデューサーと知り合った。もともとニュー・ライン・シネマのインターンからキャリアをスタートさせ、最終的にはプレジデントまで上り詰めた凄腕のプロデューサーだ。彼を見かけるたびに、いい脚本を書くにはどうすればいいかと質問攻めにしていたね。その彼からもらったアドバイスが、「どれだけ忙しくても、とにかく1日1本は映画を観ること」だった。スクリーンに映っていることが全てだから、とにかくたくさんの映画を観て、そこからいろいろ吸収しなさいとね。だから完全に独学で、言ってしまえば脚本のストラクチャーや文法も知らないんだ。ただ感じたままに書いているだけなんだよね。

ーー脚本家、プロデューサーとして数々の作品に携わってきたあなたにとって、今回の作品は初めての監督作になりますね。もともと監督業を手がけたいという願望もあったのでしょうか?

シモサワ:今思い返せば、最初は監督になりたいという気持ちを強く持っていたね。ただ、なかなか入り込むことができない狭き門だったから、まずはアシスタント作業から始めて、そこから脚本やプロデュースをやるようになっていったんだ。脚本やプロデュースの仕事を重ねていくうちに、「監督をやりたい」という願望が自然と抑圧されていったんだけど、今回初めて監督することになって、改めて自分はもともと監督がやりたかったんだということを思い出したよ。だから正直、かなり遠回りをしてしまったなと後悔している部分もあるかな。このペースでいくと、次の監督作が20年後になってしまうからね(笑)。

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ーーDJは現在もしているんですか?

シモサワ:楽しくてやめられないから今でもたまにやっているよ。僕はADD(注意欠陥障害)でとにかくひとつのことに集中していられないんだけど、次から次へと曲をスイッチしていくのが性に合っているんだと思う。音楽の制作と映画の制作には共通するところがあるから、音楽的なバックグラウンドは映画制作においてとても重要だ。例えば、アンソニー・ホプキンスは作曲家でもあって、ワルツを作曲しているよね。彼が映画の話をする時、「ここがテーマ」とか「ここがクレッシェンド」というように、まるで音楽の話をしているかのように語るんだ。彼のようなクラシック音楽を作曲できる優れた才能と僕の拙いDJの技術を比べるつもりは毛頭ないけど、スローなテンポからどんどん上げてもう1回抑えて……というようにDJにも同じような要素があるから、その経験が映画作りに役立っているのは間違いないね。

ーー今回の作品は、往年のサスペンス映画からのリスペクトを感じました。どのような映画や監督から影響を受けたんですか?

シモサワ:好きなジャンルはスリラーだね。パズルを解くような作品が好きなんだ。それはテレビドラマや映画だけでなくて、謎めいた奇妙なミステリーのようなものには何でも惹かれてしまうところがある。現役の監督では、デヴィッド・フィンチャーやクリストファー・ノーラン、ダーレン・アロノフスキー、ニコラス・ウィンディング・レフンの作品が好きだね。よりクラシックな監督だと、ブライアン・デ・パルマ、アルフレッド・ヒッチコック、ロマン・ポランスキー。影響を受けた監督をひとりに絞るなら、やっぱりヒッチコックということになるだろうね。

     
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