男性目線で描かれる異色のラブコメディ ザック・エフロン主演『恋人まで1%』の挑戦とは?

男性目線で描かれる『恋人まで1%』の挑戦

 『プリティ・ウーマン』や『メリーに首ったけ』など、一昔前まではヒット映画の王道ジャンルだったラブコメディ。近年、日本では大ヒットに繋がる作品が減少し、日本未公開、もしくはDVDスルーとなってしまうケースが増えている。2010年代に入ってからは『ラブ&ドラック』や『ラブ・アゲイン』などの良作も公開されてきたが、今年、ラブコメディには珍しい、男性にこそ共感できるポイントが多く含まれた作品が日本でも公開された。『恋人まで1%』だ。

 本作の魅力は、まずは何と言っても豪華なキャスト陣の顔ぶれだ。2006年から放送されたディズニー・チャンネルの『ハイスクール・ミュージカル』で主人公トロイ役を演じ、一躍大ブレイクしたザック・エフロンが本作の主人公ジェイソンを演じる。ここ数年は、リー・ダニエルズ監督の『ペーパーボーイ 真夏の引力』でマシュー・マコノヒーやニコール・キッドマンと肩を並べるほどの迫真の演技を見せたり、セス・ローゲンが主演と製作を務め、本国アメリカで大ヒットを記録した『ネイバーズ』では、下ネタ満載のコミカルな演技を披露したりと、かつてのアイドル俳優から脱皮しつつあるザック・エフロン。本作では、主演とともに初のプロデュースも務めている。

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 ヒロインのエリー役は、『フライトナイト/恐怖の夜』や『ニード・フォー・スピード』などのハリウッド大作でヒロイン役を務めてきた今注目の女優イモージェン・プーツが演じ、ほかにも、『セッション』でJ・K・シモンズ演じる鬼教官フレッチャーにしごかれる主人公アンドリュー・ニーマン役を務めたマイルズ・テラーや、北米で大ヒットを記録した『クロニクル』で主要キャストを演じたマイケル・B・ジョーダン、2016年に公開されるリドリー・スコット監督の最新作『オデッセイ』にも出演しているマッケンジー・デイヴィスなど、今注目の若手俳優が共演しているのがポイントだ。マイルズ・テラーとマイケル・B・ジョーダンは、日本で10月9日(金)から公開されるリブート版『ファンタスティック・フォー』で再共演していることも話題となっている。

 豪華な若手俳優陣の顔ぶれとともに注目なのが、本作における脚本の面白さだ。女性が共感できるように作られた作品が多いラブコメディだが、本作は三者三様の恋愛観が男性目線で描かれ、男性にこそ共感できるポイントが多く含まれている。一言でいってしまえば、“ニューヨークを舞台に繰り広げられるアラサー男子の恋愛事情”とでもいえるだろうか。

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